第三十六話 新生「ラスティ・ジャンク」
好きなものと言われてもよくわからないので、ブリックスに適当に見繕ってもらうことになった。
「盾はこのへんじゃな」
ブリックスが鉄製らしき盾を持ち出す。
強度でいえば竜の鱗とは比べられないが、しっかり鍛えてある。
ロズウェルが盾を手に取る。
「スキルだけでやってきたからな。ちゃんと使えるやろか」
ブリックスは剣類が固まっているあたりに行き、見渡す。
「刀ならこのへんじゃろ」
2本で一対の長さの異なる刀だった。
「これもドラゴンの素材とは比べ物にならんが使いやすいぞ」
リンネが2本の刀を手に取り、試しに振ってみた。
「うん、いいと思う」
新ジョブのスキルのおかげか、刀の扱いがすでにさまになっている。
アイマの指示で、リンネは物理攻撃系のスキルも取得していたのだ。
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名前: リンネ
獲得スキル:
・ツー・ソード〔両手に刀を装備し、連続攻撃が可能。常時発動/消費0〕
・レクイエム・ブレード〔攻撃力の2倍ダメージ。1%の確率でクリティカル発動/消費10〕
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僕たちは、ドワーフの工房を後にする。
僕には新しい武器はないが、レッドドラゴンの素材でできるリンネとロズウェルの新装備は楽しみだ。
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パーティー名: ラスティ・ジャンク
冒険者ランク: S級
称号: ドラゴン・スレイヤー
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名前: ユウマ・ブラッドランス
Lv.83
基本ジョブ:愚者
昇格ジョブ: 大いなる愚者
HP 236/236 MP 23/23 攻78 防76 速40 知9
スキル:
・〈スタンブル〉
・〈ケイオス・ライオット〉
・〈リリーフ〉
・〈エンカレッジ〉
・〈ディープ・ブリース〉
・〈スピリッツ〉
スキルポイント: 65
固有リソース:〈ディストーション〉
*昇格ジョブボーナスにより常時10%蓄積
武器: ダブルエッジ・グレイヴ (攻+12)
防具: 布の服 (防+2)
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名前: リンネ
Lv.83
基本ジョブ:死神
昇格ジョブ: 死神・侍
HP 365/365 MP 210/230 攻296 防98 速392 知232
スキル:
・〈ハーベスト〉
・〈ソウル・プロテクト〉
・〈コロージョン〉
・〈リーパーズ・ベル〉
・〈ツー・ソード〉
・〈レクイエム・ブレード〉
スキルポイント: 28
武器: 名匠の打刀・脇差 (攻+32)
防具: 皮の胸当て(防+4)
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名前: ロズウェル
Lv.39
ジョブ:吊られた男
HP 276/276 MP 89/89 攻79 防196 速53 知48
スキル:
・〈リバーサル・フォルティチュード〉〔相手の攻撃を無効化。発動時HP+1ずつ回復/消費1秒ごとにMP1〕
・〈リディキュール〉〔敵のヘイトを集める/消費MP2〕
・〈カウンター・ロア〉〔攻撃を受けると咆哮を返し、相手と周囲の敵をスタン/消費MP6〕
スキルポイント: 28
武器: ロングソード (攻+9)
防具: アイアン・シールド改 (防+26)
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アイマが見せてくれたステータスを見るとまさに新生「ラスティ・ジャンク」といったところだ。
レベルの上がり具合から、改めてレッドドラゴンの凶悪さを認識し直した。
もはや「愚者」である以上、自分の知力はどうでもいいのだが、ジョブ昇格したのに相変わらずパッとしないのは納得がいかない。
固有リソースのボーナス以外、ほとんど基本ジョブの「愚者」と変わらないのではないだろうか。
それに比べ、リンネのステータス上がり方と新スキルは凄まじい。
ロズウェルのレベルがあまり上がっていないのは、レッドドラゴンにとどめを刺したときにパーティーメンバーでなかったからか……もったいない。
ウィルクレストに戻ったら早々にパーティーメンバー登録しよう。
それにしてもHPと防御力の高さは素晴らしい。
仲間になってくれてよかった。
いつかチムニーロックの町の再興を手伝ってあげたい。
<<もっとゆっくりさせてやりたいが、ウィルクレストに戻るのが遅くなってしまうから、そろそろ王都を離れるぞ>>
最後に美味しいものでもゆっくり食べてから帰りたかったが、しかたないか。




