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伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第一章 冒険者編

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第十七話 ギルドマスター

「リンネ、大丈夫か?」


 ゲセナー侯爵家を出てからリンネの口数が明らかに減っていた。


「うん……もう大丈夫……かな」


 あまり大丈夫そうじゃないな。


「何というか……無理しないでくれよ。リンネは僕の大事な仲間なんだ」


「気持ちの整理はできているつもりなんだけど……私の手で恩人を殺めてしまうのはやっぱりしんどいね……ユウマ、ちょっとだけ甘えさせてもらっていい?」


「うん?? もちろんだよ」


 そう答えると、リンネが僕にそっと抱きついてきた。


 前にもこんなことがあったな……泣いているのか……そりゃしんどいよな……


<<お楽しみ中に悪いがギルドはすぐそこだぞ>>


 アイマ……智の魔神のくせに空気読めないのか??


「うん、私は大丈夫。ユウマのおかげ。ありがとう」


 そう言ってリンネが僕から離れた。


 行くか……

 


 ギルドに入ると、相変わらずの盛況ぶりだ。もう夕方だから報酬受け取りの冒険者がほとんどか。


 さて、顔見知り?のアリアさんのところに並ぶか。



 と、肩を叩かれた。


「『ラスティ・ジャンク』か?」


 振り返ると、年配の筋肉質の男だった。顔には深い皺が刻まれているが、見るからに強靭そうな体躯は、歴戦の冒険者を思わせる。


「はい、そうですが……」


 つい認めてしまったが、大丈夫だろうか。何か胡散臭いおっさんな感じもするが……


「猫族の獣人とボーッとした感じの男の二人組パーティーと聞いていたが、当たりだったな」


「ギルドマスターをやっているラッセルってもんだ」


 マジっすか!?


 そういえば、マーガレットがギルドマスターによろしくって言ってたな。

 僕たちに何か用があるのか?


「ちょっと裏に来てくれるか?」


「えっ?」


「いいから、来い」


 そう言って僕の腕をグイっと掴む。

 めっちゃ力が強い……


「わ、わかりましたから……」


 そうして僕たちはギルドマスターらしき人についていった。

 何かマズいことしちゃったのかな……いざとなったらマーガレットに助けを求めたほうがいいかな。


「あの……マーガレット・コンスタンティン様がギルドマスターによろしくとおっしゃっていました……」


「ああ、そうだろうな」


 そうだろうな?? どういうこと?


「入れ。俺の部屋だ」


 そこは冒険者ギルドのバックヤード、ギルマスの部屋ということだ。


 僕たちは言われるがまま、部屋に入っていく。


「そこに座れ」


 中には、来客用のものと思われるテーブルとソファがあり、ラッセルはそこを指さした。


 また僕たちは言われるがままソファに座る。


「ガーゴイルを倒したんだな?」


「はい……」


「ああ、そうだ。まず報酬を渡しておこう。銀貨3枚だったな」


 ラッセルはズボンのポケットを無造作に探り、コインをいくつか取り出し、テーブルに銀貨を1枚ずつ放り投げる。


 僕はそれを拾った。


「まずは事務的なことを片付けよう。今日から『ラスティ・ジャンク』はB級に昇格だ」


「は? 僕らE級ですよ」


「ギルマス権限の特例だ。いくら自信があってもいきなりE級からガーゴイル級の討伐をするやつは前例もない。それくらいいいだろう」


 いや、まあ、依頼の選択肢の幅が広がるからありがたいっちゃありがたいけど。


「次の依頼は俺から説明させてもらおう」


 選ばせてはもらえないのね…….

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