表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
伝説級最弱ジョブ『愚者』、智の魔神に参謀され“外せば外すほど最強”になります  作者: Vou
第一章 冒険者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/72

第十四話 ガーゴイル討伐戦

<<ガーゴイルは敵が本体に近づくまで攻撃はしてこない。この状況は俺たちにかなりのアドバンテージだ>>


 まあ、それしかないよね。


「ケイオス・ライオット」


 ディストーション溜めますよ。


 相手が全く動かないので、100%までディストーション・レートを持っていき、スキル効果アップの「エンカレッジ」をリンネにかける。


<<リンネはまだスキルを撃つなよ。ガーゴイルは上位の魔物だから、さすがに一発では倒せない。もう一度ディストーションを溜めておけ>>


 はい、やっておきます。


 もう一度100%までディストーション・レートを溜める。


<<攻撃する前にユウマ、念のため、「ディープ・ブリース(深呼吸)」発動だ。ガーゴイルはスタンや石化攻撃をしてくる可能性がある>>


ディープ・ブリース(深呼吸)


 リンネと僕の胸が光り、消える。


<<よし、もう一度ディストーションを100%溜めろ。これで最後だ>>


「了解」


 ガーゴイルも先に攻撃してくればいいのに。こっちは準備時間が長ければ長いほど指数関数的に有利になるからな。


 そしてそのまま何事もなくディストーション・レートは100%に。


<<リンネ、「リーパーズ・ベル」を石像の列に向けて放つんだ。ユウマは、リンネがスキルを放ったら、すぐにもう一度「エンカレッジ」をリンネにかけろ。集中しろよ>>


「わかった」


 僕とリンネが声を揃えて答える。


「大丈夫、もうジョセフ様じゃない」


 リンネがつぶやく。


リーパーズ・ベル(死神の鐘)


 ものすごい衝撃波が発生する。


 後ろにいたこちらもスタンされそうな勢いだ。


<<ユウマ、早くやれ>>


「エンカレッジ!」


 衝撃波は石像を次々と破砕していき、全てが崩れ落ちた……いや、一体だけ残っている。


「ガァァァァァ!!」


 奇怪な声を上げ、残った石像がこちらに顔を向け、羽を広げる。


「あれが……ジョセフ様?」


 とても元人間だったとは思えない姿だ。肌は石のようで悪魔のような形相ーー離れたところからでもわかる真っ赤な充血した目や開けた口からのぞく長い舌。


<<そいつにはスタンも効いていない。リンネ、「ハーベスト(魂の刈り取り)」だ>>


「え? でも『ハーベスト』は『エンカレッジ』していても失敗する可能性が高いんじゃないの? 『コロージョン』のほうが確実なんじゃないの?」


<<リンネでもスピードで勝てない。「コロージョン」は当たらないし、相手の攻撃を先に受ける可能性の方が高い。一発でも当てられたらリンネが即死だ。「ハーベスト」以外に攻撃を当てる方法はない>>

 

 と、ガーゴイルが翼を羽ばたかせ、ものすごいスピードでこちらに向かってきた。確かにリンネ以上のスピードだ。


 リンネがガーゴイルの動きに集中する。


ハーベスト(魂の刈り取り)!」


 リンネに躊躇はなかった。


 ガーゴイルの胸のあたりが強い光を放つ。


 ……が、突進が止まっていない。来る!


 クソっ! 何で博打に出てしまったんだ。


 僕はリンネを庇おうと手を伸ばす。


 ……間に合わないか! クソォ!


「ガスン!!」


 と、気づいたらガーゴイルはリンネも僕にも攻撃してこず、猛スピードで部屋の壁に激突した。


<<死んでるよ>>


「え!? 『ハーベスト』効いたの?」


<<そりゃそうだ。飛んでる途中で死んで、そのまま慣性で突っ込んできただけだ>>


「じゃあ、賭けに勝ったんだ!」


<<智の魔神は賭けなんかしない>>


「いや、でも『ディストーション・レート』が100%で『エンカレッジ』しても、『ハーベスト』100%にならないでしょう?」


<<「ディストーション・レート」が100%になると、ボーナス効果で200%になる仕様なんだよ。だから『ハーベスト』の致死率は100%だったんだよ>>


 マジか。最強じゃん。


<<「ディストーション・レート」を100%まで持っていけて、相手も単体って状況でないと使えない手だからそんなにいつでも使える手ではないんだがな、これが使えるだろう「ガーゴイル討伐」を選んだ時点で、もう勝てることはわかっていた>>


「結果だけ見たら楽勝だったね」


<<ちなみにガーゴイル討伐は通常A級の案件だぞ。レベル10台のE級パーティーではとても相手にできる魔物じゃない>>


 血の気が引きました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ