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#3.5 私の欲の満たしかた

社会人3年目のOL・宮下はるなは、新入社員の配属日を迎え、理想の先輩像を装おうと今日もコンプレックスの貧乳を盛る。そこに現れたのが、新入社員・星野かのん。小柄で儚げな雰囲気とは裏腹に、規格外の巨乳を自然に備えた彼女の姿に、はるなは強い衝撃を受ける。

配属初日のかのんは、総務課の先輩・はるなに付き添われて、制服のサイズを決めるために試着や採寸を行う。しかし、そこで明らかになるのは、既製品では対応できないかのんの身体。圧倒的な爆乳の存在だった。

測定を終えて距離が縮まったかのんとはるなは、業務の説明を通して互いの秘密を共有し、お互いに信頼できる関係となる。

初日の業務を終え、制服のまま帰宅したはるなは、鏡の前で立ち止まる。まずは、役目を終えた衣装を脱いでいく。


盛りブラとパッドを外すと、その中に詰め込まれた脂肪がふわりと本来の位置に戻り、ぺったんこの胸元が広がる。

スカートを脱ぐと、お腹回りをしっかりと覆い、お尻を持ち上げていたハイウエストのガードルが現れる。そのウエスト部分に指をかけて、ゆっくりと下へ引き下ろす。すると、ぽっこりとしたお腹が、だらしなく垂れ下がっていく。

ガードルを脱ぎきった肌には、締めつけの跡がくっきりと残っていた。

靴下を脱ごうと前かがみになる。腹肉が三段に重なり、ショーツのデザインを隠す。

ため息まじりにソファへ腰を落とすと、クッションが沈み込み、その反発で太ももの肉が左右へと広がっていく。

無意識に足をなげ出すと、むっちりとした太ももが露わになり、その肉が擦れた肌は赤みが残っていた。


自嘲ではない、ため息まじりの陶酔。

自分が恍惚の表情を浮かべていることに気づき、口元だけで笑った。


すべてを脱ぎ捨てた私は、部屋着用のAカップのブラを付ける。アンダー85センチ、トップ93センチ、乳なのか贅肉なのか判断に困るほどに膨らみのない脂肪を覆うために。


代わりに成長したのはウエストだった。今では85センチ、腹囲も95センチに達していて、ようやく胸囲よりも大きくなった。


私は、贅肉に包まれているこの身体が大好きだった。数年前から、太っていく自分に興奮していて、もはや食事自体よりも、その結果生じる体重の増加に喜びを感じるほどだった。


だけど、社会は、これを認めない。


だから、テーブルの上に放置された前回の職員健診の結果も、身長158センチ、体重70キロという私のわがままボディに、「肥満」という評価を下して、「改善」を求める。


だから私は身体を盛る。

大好きな私の身体を、そんなラベルから守るために。

私だけの秘密の興奮を、永遠にするために。

そして、幼い頃からずっと憧れていた大きな胸になるために。


元々は単なる巨乳好きだった。服の上からでもはっきりと大きさがわかる胸が大好物だった。

そんな私が倒錯したきっかけは、大学4年の秋頃だったと思う。


その頃は、今より20kgほど痩せていた。

体型は、B77(A70)、W63、H99。


ここから体重が少しずつ増え始めて、元々お尻だけは大きかったのに、履いていたスカートがますますきつくなってきた。


最初は、「私にも胸ができる」と期待していた。でも、実際には、まったく胸は増えずに、代わりに下腹とお尻、太ももにばかり余分な肉がついた。


そこに手を当てると、思いのほか温かくて、ふわふわとしていた。それが、不思議と気持ちよかった。柔らかくて、たぷんとして、無防備で……。

「これ、悪くないかも」なんて、つぶやいていた。


気づけば、夜になると、お風呂で全身の贅肉を撫でるのが日課になっていた。下腹のたるみに手を滑らせ、横に広がる太ももをなぞる。パンパンになったヒップを両手で持ち上げては、その重さに身震いしてみたり。

小さくて、谷間もできない、つまらない胸の私が、快楽に溺れる唯一の手段だった。


そのうち、「ぽっこりした腹」と「はちきれそうな胸」の両方に、同じくらいの熱をもって興奮する女に変わってしまっていた。


ふと、かのんちゃんのことが頭によぎる。

--B105、W62、H85

私が憧れていた胸の理想系。

服の上からでもはっきりと大きさがわかる乳。


でも、今の私が惹かれるのは、それだけじゃない。あの子の胸は、大きくて、やわらかくて、圧倒的な存在感があるのに、本人は、儚くて、傷つきやすそうな空気を纏っている。


少し俯いたときに揺れる髪の影。

あの小さな背中に詰め込まれている、静かな気配。

それら全部が、私にとっての「理想」の定義に上書きされている。


(なんであんな……反則みたいなバランスしてんの……)


ただ羨ましいだけじゃない。

悔しいとも少し違う。

あれは、私の中にないもの、どうやっても手に入らないなにかが詰まってる。


触れたとき、確かに感じた。

やわらかさ。温度。

そして、あの胸の奥にあった鼓動。


(……触った感触、忘れらんない……)

(……明日も、近くにいたい)


そう思ったときには、胸の奥が少しだけ、甘く疼いていた。


――


私はバスルームへと足を運ぶ。


湯気の中、曇った鏡にぼんやりと映る自分の姿。広がった腰回り、柔らかくたぷんと垂れた尻。左右の太ももの肉が隙間なく触れ合う。


泡立ったボディソープで腹をなでると、やわらかい肉が素直に指のかたちに沈む。

それを持ち上げるときに、手が滑って、シャンプーボトルが倒れた。戻そうと身体を屈めると、腹の肉が三段になったのが自分でもわかる。


(……かのんちゃんも、こんな気持ちだったのかな……)


自分の身体の一部が、意図せずに強調され、羞恥をいだく。目を逸らしたくても、自覚せずにはいられない存在感。


泡と汗が混ざった身体をシャワーで流す。

ぬるめのシャワーが、首筋から背中を流れていく。気持ちいいはずなのに、水圧も、温度も、どこか物足りない。


湯船に入り身体を丸めると、まるで身体中の贅肉がお腹に集まったかのような大きさになる。目を瞑って、そっと指で撫でる。


(……柔らかくて、気持ちいい)

(かのんちゃん……)


記憶がよみがえる。更衣室で二人きりになったときのキャミソールに沿った肉体のライン。すれ違いざまに、肩が触れ、あの子の背中がぴたりと寄って……。でもその奥には、確かに柔らかさがあった。吸いつくような、粘度のある感触。


(……もう一度、あれを感じたい……)


お腹から腰、そしてお尻へ指を動かす。その大きさ、柔らかさを感じるたびに、身体の奥に熱が滲んでいく。


(……105センチ、かのんちゃんと同じ……)


尻肉はむっちりと厚く、掴めばずっしりと重い。その質感に、あの子が顔を赤らめる姿が浮かぶ。熱がどんどん上がっていく。


それを追うように指を滑らせていく。脚の付け根、肉の奥の狭い入口が、とろりと指を迎え入れる。ぬるく、柔らかく、まるでかのんちゃんが私を迎え入れるような温もり。腰のくびれ。くすぐるような表情。胸の、あの重み。


「……っん……」


思わず、吐息が漏れる。もう片方の手で胸を撫でる。濡れた手のひらが肌に吸いつき、押すたびに水がしたたり落ちる。身体を動かすと、全身の肉が波のように揺れ、その感触がさらに自分を刺激してくる。


(……かのんちゃん、今ここにいたら……優しく触れてくれたかな……)


あの子は、何も知らない。ただ、自分だけがこんなふうに欲望に囚われている。


それでも指は止まらない。腰を揺らし、快感の波を掘り起こすように、指の動きが速くなり、ぴちゃ、ぴちゃ……と、水音が浴室に響く。そのたびに、自分の行為が明確な現実としてあらわれる。


「かのん……ちゃん……っ」


快感の頂点へと近づき、全身に震えが走り、身体が跳ねる。肉が押し合う太ももの間から、水が滴り落ちた。


「……っあ……かのん……ちゃ……ん……」


自然と名前が唇をこぼれる。誰にも聞かれることがないとわかっていても、抑えられない。肌と肌が打ち合う音が、浴室の中に生々しく響く。

そして、その動きに呼応するように――快感が、胸の奥をかきまわすように膨らんでいく。腰が浮く、水が跳ね、肉が揺れる。

汗と湯と、自分の湿り気が混ざり合って、はるなを包み込む。


「っ……はぁ……っ、もう……だめ……っ!」


最後の一押しで、全身に震えが走る。


しゃがみ込むように座り込み、しばらく動けなかった。ぬるくなったお湯の中で、ようやく呼吸が落ち着いてくる。

曇った鏡の向こうには、肩で息をする自分の姿。頬に髪が張りつき、顔は上気しきっていた。

満たされたはずなのに、胸の奥にはひとすじの寂しさが残る。すべてを吐き出してなお、心のどこかに、あの子への欲がまだ、渦のように残っていた。


お風呂から上がったあと、髪を乾かしながらも、頭の中はずっとかのんちゃんの姿が占めていた。

明日、ふつうに話せるだろうか。

隣のデスクでの何気ない会話、すれ違いざまの匂い……。

自分がこんなことをしていたことを、かのんちゃんは知らない。

それでも私は、あの胸の記憶を、消せないまま朝を迎える。


また、近くにいたい。

それだけは、嘘じゃない。

【名前】宮下 はるな(みやした はるな)

【年齢】25歳(3年目)

【身長】158cm

【体重】70kg

【スリーサイズ】B93(A85) / W85 / H105

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