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勇者が魔王を倒しました 1
勇者は様々な犠牲を払い
ついに魔王を倒しました。
その日、勇者がついに魔王を倒したと、王の下へ勇者が訪れました。
人々は歓喜し、街はお祭り騒ぎ、新たな勇者の英雄譚を詩人が詠う。
という事はなかった。
みすぼらしい、ボロ布のような服
いつ手入れをしたのだろうか、ボサボサの髪
眼に光なく、虚ろに王を眺めている
勇者が事務的な報告を済ませると王はひとこと「大儀であった」と、力なく応えるだけだった。
謁見の間から出ると1人、見覚えのある女性が立っている。
「あっ……あの……。」
不安そうな声だ。
「姫様、ご無事で何よりです。」
それだけ伝え、返事も待たずに歩き出す勇者。
勇者が王城を出ると、普段と変わらぬ街の風景がひろがっていた。
とても活気があるとは思えぬ風景。
勇者は魔王を倒しました。
勇者は魔王を倒したのです。
報告 1 <検閲済>
■■について。経過観察の必要あり。
■■を喪ったと知ると■の■■になり更なる世界の疲弊に繋がる。必要ならば処置を施し管理を行います。