第四話:世界創造②
更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
初投稿の作品なので、至らない点があると思いますが、温かい目で観てくださるとありがたいです。
「......あ」
「ん?どうしたの、兄さん?」
突然声を上げた優真に、良介が疑問を発する。
「そういえば、チュートリアルで覚えたことの中に困ったときなどに使える生成AIみたいな機能があったな。」
「何その機能、今の状況にめっちゃ都合良すぎない?」
(...ということは実際に名前が思いつかないかネーミングセンスが壊滅的な神が居たのだろか...)
そう考えると、優真はとてもいたたまれない気持ちになり、話題を逸らすことにした。
「とにかく、便利な機能があるならそれを使ってみよう。」
「う、うん...?」
良介が優真からの謎の圧に押されて疑問を抱きつつ、優真は生成AIに似た便利機能を起動した。
すると、チュートリアルなどで出てきた画面とは違い、朗らかに生成AIサイトをパクったであろうデザインの画面が現れた。
『神工知能システムをご利用くださいましてありがとうございます。質問がありましたら、入力欄に入力するか、質問権限を持った人が話しかけてください。』
色々気になることがあるが、最初にこの質問だけは絶対にしておく。
「あの。アメリカの会社がやってる有名な生成AIサイトのデザインパクったんですか...?」
「兄さん!?」
良介は最初にその質問をするとは思っていなかったのか、とても驚いたが、神工知能システムとやらは気にしない素振りで質問に答えた。
『参考にはしましたが、パクってはいません。』
どうやら今の回答で押し通すつもりのようだ。
人工知能と神工知能の違いが分からないが、物凄い圧を感じる。
「なるほど、わかりました。では、神工知能と人工知能は何が違うのですか?」
そう神工知能に質問すると、直ぐに回答が来た。
『人工知能は、文字通り人が作った知能です。学習することで知識は増えていきますが、その知識は限度があります。神工知能も文字通り神が創った知能ですが、最初からすべての知識を有しており、その知識に限度はありません。』
(ふむ...そう考えると神工知能って人工知能の完全上位互換のようなものか。)
そうして、小一時間ほど優真たちが神工知能に質問をした結果、次のことが分かった。
【神工知能に質問をして分かったこと】
・神工知能は人工知能の完全上位互換
・神工知能に質問をするには質問権限が必要で、その権限は神とその使徒、または眷属と天使などの世界の管理に携わる者しか得られない。また、権限を持ったものが他のものに権限を付与したり、譲渡するのは創造神(優真)の許可が必要。
・質問権限を有していなくても、質問権限を有するものに質問を代行してもらえば間接的に質問が可能。
・神工知能は常に更新され続けているため、すべての情報を有しているが、未来予知などは不可能。あくまで現在までに起こった出来事などの質問に答えるだけ。
「とりあえず神工知能については分かったけど、肝心の事をまだ聞いていなかったな。」
「確かに、そういえば聞いてなかったね。」
優真の言ったことに対し良介も同意する。
良介の同意が返ってきた優真は、神工機能に肝心のことを聞いてみた。
「Hey神工知能、新たに作る世界のいい感じの名前のリストを出して」
「...何その呼び方。もっとまともな予備方無いの...?」
良介が優真に対して苦言を言うが、良介の苦言は無視して神工知能は答えた。
『Hey神工知能とは呼ばないでください。ただ、他の神々からはチノと呼ばれたりしているので、Heyチノでしたら大丈夫です。』
「あっはい。」
流石に優真も神工知能と呼ぶのは言いづらかったのか、あっさり受け入れた。
『それでは、新たに創造する世界の名前の候補はこちらです。名前の後にそれぞれの意味も付属しています。ただし、世界の名前には多少なりとも世界の方向を左右する力があります。慎重にお選びください。』
そうチノに言われたので、リストを見てみると、ふと一つの名前に目が止まった。
『セレニアス:穏やかさや平静さの意味がある造語』
(ふむ...セレニアスか。穏やかさ平静さってことは平和を願った名前なのかな。転生先の世界で平和じゃなかったら面倒だし、ちょうどいい名前か。)
優真はちょうど希望の平和になってくれそうな世界の名前を見つけたので、良介に言ってみることにした。
「なあ良介、『セレニアス』なんてのはどうだ?意味も平和を願った感じのだし、ちょうどいいんじゃないか?」
「え?どれどれ...穏やかさや平静さか...確かに、平和を願った感じの意味だね。いいと思うよ。」
良介もセレニアスに賛同したので、その名前で行こうかと思う。
「よし、じゃあ決まりだな。」
そうして、優真は入力欄に『セレニアス』と入力し、決定ボタンを押した。
『世界の名前は《セレニアス》でよろしいですか? Yes/No』
「最終選択か。まあこれでいいから押すけどな。」
「そうだね、転生先の世界、楽しみだね。」
「そうだな。」
そう話すと、優真はYesを押した。
『Yesが押されたことを確認しました。これより、世界の創造を開始します。また、同時に、優真様と良介様の魂の再構築を開始します。』
「ん?再構築?」
そう聞き慣れない単語が画面に出てくると、優真と良介は意識を失ったのであった。
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