第九話:攻略開始
今回から語りを三人称視点ではなく、一人称視点でお送りいたします。もしかしたらこれまでの話も順次一人称視点に変更するかもです。まあ三人称視点と一人称視点が混ざってたような気がするけど。
『これより、終焉を攻略する際の注意点をお話します。少しでも聞き逃すと命に関わる可能性があるため、しっかりとお聞きください。』
そうして、謎の声によるダンジョンの説明が始まった。
『まずは、終焉についてです。終焉は、白の創造主が最後に創ったダンジョンであり、白の創造主が創ったダンジョンの中で最難関となっています。簡単に難易度の差を表すと、二番目に難しいダンジョンをクリアできた場合でも、大体の挑戦者はこのダンジョンに挑戦する際は普通の難易度のダンジョンに挑戦する初心者と同じような状態です。なお、現時点での最高到達点は12層であり、これは製作者である白の創造主の記録です。殆どの場合、どんなに行けても3層の時点でリタイアします。ちなみに、リタイアは10層までは各層のスタート地点で可能ですが、10層以降は5層ごとにしかリタイアできません。そしてーーー』
説明が長かったので省略したが、要約するとこんな感じである。
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・終焉の最高到達地点は12層であり、この層で白の創造主は死んでしまった。
・終焉は10層までは各層のスタート地点でリタイアできるが、それ以降は5層ごとしかリタイアができない。また、リタイアした場合は終焉に関する記憶はほとんど消滅する。つまり、ここの情報が少ないのはこのせいである。
・終焉で死んだ場合は、あらかじめ蘇生魔法等で復活するようになっていない限り、世界から消滅する。(つまりは良介の元に帰れなくなる。)
・終焉内部は時間軸が通常より遅く、何故かどんなに長い間攻略していてもダンジョンを出ると1時間だけが経過している。
・各層は必ずスタート地点から始まり、どこかにあるゴール地点に行くと次の層に行ける。なお、ゴスタート地点とール地点は安全である。
・各層はとても広くなっており、更に先の層に進むほど大きくなる。ちなみに、一層目の広さは東京23区が入るくらいである。
・100層までは10層ごとにボス部屋があるが、100層以降は100ごとにボス部屋があるようになっている。
・攻略開始時点で、所持しているかに関わらずアイテムボックスと鑑定スキルが付与され、絶対に壊れない普通の剣をもらえる。ただし、すでに所持している場合は一段階スキルや武器のグレードがアップする。なお、リタイアするとスキルは消滅し、壊れない剣は普通の剣になる。スキルやアイテムを手に入れたいのなら、攻略するしかない。
・転移や地図等の一部のスキルは、使用に制限がかかる。(転移の場合は、すでに到達した層で行ったことがある場所だけで、いったことがない場所はダンジョン外には転移ができなかったり、地図のスキルは最初から全てのエリアが表示されるのではなく、行ったことがある場所の周辺しか表示されないというふうになる。)
・各層のスタート地点はエリクサーが無限に入手可能だったり、お金(ダンジョン内の魔物を倒すことで自動で手に入る)を払うことで色々なアイテムも購入できるお店や、攻略を開始してから経過した時間が分かる石碑がある。また、ゴール地点で次の層に行く際にも攻略ボーナスとして多少のお金がもらえる。当然だが、リタイアするとお金は失われる。
・おそらく当たり前だが、努力したらダンジョン内でスキルを手に入れることができる。しかも、最初から手に入るスキルではないため、リタイアしても消滅しない。
・各層に確実に10個の宝箱があり、当たり前だが、そこに入っているお宝は攻略に役立つ。リタイアすると手に入れた宝は消滅する。
・攻略の道中で倒した魔物やボスが仲間になりたいと言ってきたら、仲間にできる。終焉は自分やその仲間以外はいない(つまりは他の挑戦者と隔離される)ため、基本的には仲間にすることをおすすめする。なお魔物やボスを仲間にしてもお金はもらえる。
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『以上で、説明を終わりにいたします。何かわからないことがある場合は今質問してください。今後は質問は基本的に不可能です。』
そう言われて、すぐに質問したいことは思いつかなかったが、攻略前に情報収集はしておかないと命に関わってくると思ったので、少し考えてから思い浮かんできた質問をすることにした。
「まず1つ目。今後は基本質問できないというのはどういうことなんだ?」
『基本的に質問ができないというのは、各層の宝箱から低確率で出る《質問券》という物を所持していたら質問が可能だからです。なお、この券は質問ptに変換して、一定程度のポイントが溜まったら何かしらのものと交換することも可能です。』
「なるほど。じゃあ2つ目、宝箱からは質問券以外には具体的にはどんな物が出てくるんだ?」
『宝箱から手に入れられるすべてのアイテムの情報を教えることはできませんが、ステータスを上げたり、逆に下げたりするアイテムや、スキルを強化できるアイテム、安全地帯を作れる等の便利アイテムなどが手に入ります。』
「そしたら3つ目、攻略を開始してからどのくらいの時間が経過したとかって分かるのか?後はそれで年齢が増えた場合はステータスに反映されるのか?」
『各層のスタート地点に、攻略を開始してからどのくらいの時間が経過したかがわかる石碑があります。また、スタート地点にいない場合でも、ステータスボードに追加で表示されています。ここで経過した年月分の年齢も、(+ここで経過した年数)としてリタイアの有無に関わらず反映されます。』
「4つ目、このダンジョンを創った目的は?」
『申し訳ありません。そのことについては、攻略した者のみにしかお話できません。知りたい場合は、頑張って攻略してください。』
「やっぱりそうだよなぁ…。5つ目、俺は攻略できると思うか?」
『…現段階では確実に攻略不可能です。』
「まあそれは当たり前だよな。最後、お前はどうやったら解放されるんだ?」
『…ご心配くださりありがとうございます。私のことはどうかお気になさらず。』
「…そっか。あ、最後に、各層のスタート地点などの安全地帯から一度出ても戻れるよな?」
『はい。各層のスタート地点等の安全地帯は、何度でもで入り可能です。』
「分かった。じゃあ質問は以上だ。」
『分かりました。それでは、攻略を開始します。あなたがクリアできることを私は期待しています。頑張ってください。』
そうして、とてつもない年月にわたる終焉攻略が始まった。
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謎の声が喋り終わると、すぐに視界が変わり、俺がいたのは虹色にきらめくエリクサーらしき液体が吹き出る噴水だったり、お店らしき建物、そして、《ダンジョン攻略を開始してから0年0日0時間0分》と表示されている石碑と明らかにゴール地点に続いている通路のある、間違いなくスタート地点の場所だった。
周囲を確認してスタート地点ということを確認すると、ステータスにスキルが追加されているのかを確認することにした。
「ステータス」
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《名前》 新神優真
《種族》 神族 《性別》 男性 《年齢》 18歳
《レベル》 1(神レベル:1)
《職業》 創造神
《体力》 ∞
《魔力》 ∞
《その他能力》 ∞
《称号》 転生者 創造神 天職についた者 非常識
《スキル》 創造 編集 破壊 完全記憶 アイテムボックス 鑑定(Lv.1)
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アイテムボックスと鑑定がちゃんと追加されていた。というか鑑定にはレベルあるんだ。
ということで、まずはスタート地点の探索をしてみることにした。まあ全然広くないけど。
石碑は見ても意味がないと思うのでスルーして、最初にエリクサーらしき液体が吹き出る噴水を見ることにした。
最初に見たときから公園にある噴水っぽいと思っていたのだが、近寄ってみるとやっぱり公園の噴水である。
一応鑑定をしてみると、やっぱりエリクサーと表示された。
《エリクサー:使用者がどんな状態でも、健康な状態に回復する。一般的に奇跡のポーションと言われ、非常に入手が困難である。》
やっぱすごかった。そこでエリクサーをアイテムボックスに入れようとしたが、そもそもアイテムボックスに入る物や量が分からないので、スキルの詳細を見ることにした。
ちなみに、自分のスキルの詳細を確認するのには鑑定はいらない。ただ、自分以外のスキルの詳細の確認には必要である。
《アイテムボックス:生きている生物以外のすべてのものが入る。また、容量に限界は無い。現在は仮で与えられている。》
エリクサーも大丈夫そうだ。ついでで、鑑定や他のスキルも見てみることにする。
《鑑定:生物や物等の詳細を視れる。レベルが上がるほどより多くの情報がわかるようになる。現在は仮で与えられている。》
《創造:魔力や神力を使用して無から有を創り出せる。ただし、自分より強力な生物や物は作れない。》
《編集:すでに存在する物を編集することができる。ただし、自分より強力な生物や物は編集できない。》
《破壊:すでに存在する物を無にすることができる。ただし、自分より強力な生物や物は破壊できない。》
《完全記憶:これまでに体験したすべての事を忘れずに覚え続ける。ただし、自分より強力な存在に改変・消去された場合はその記憶を覚えてしまう。》
どれも一長一短だ。特に完全記憶は上位の存在に上書きされた記憶を覚えてしまう可能性があるのはヤバい。ここでどんな敵が現れるかわからないから、十分に対策をしてから挑戦したほうが良さそうだ。念の為称号の方も見てみることにしよう。
《転生者:元の世界で死んだことで、異世界に転生した者。その他能力に補正がかかる。》
《創造神:創造神になった者。自身が創造した世界と自身の神界にいる際に全ステータスに補正がかかる。》
《天職についた者:取得者が天職についたときに出る称号。職業で使用する魔力・神力の使用量が減少し、その職業に関すること(天職についての学習と、戦闘職なら戦闘、生産職なら生産)に大幅な補正がかかる。》
《非常識:頭のネジがいくつか抜けている。》
…非常識だけひどくね?なんで悪口言われてるの?俺別に非常識じゃなくない?
まあ、悲しすぎる非常識は置いておいて、天職についた者と創造神の補正は非常に助かる。多分少しだけ終焉を攻略するスピードが早くなってくれそうだ。
でも、転生者で補正のかかるその他能力の有用性は何なのだろうか?料理とかが上達するのかな?でもすでに∞なんだよな。
とにかく、非常識は意味がわからなかったり、転生者は役に立つか微妙ではあるけれど、天職についた者と創造神の称号は非常に助かりそうだ。
とりあえず、ステータスはひと通り見終わったので、エリクサーを収納に入れる。収納したい物を思うだけで入れてくれるし、魔力か神力も使われた様子がない。
そのままステータスについて考えながら収納を続け、気づいたらここに来てから2時間が経過していた。ちなみに、アイテムボックスにどれくらいのエリクサーが収納されたのか確かめてみたら、700万リットルも入ってた。ちなみに、ステータスについて考えてる間にアイテムボックスの検証も続け、そしたらなんか噴水は量が減ったら一瞬で最初の量に回復する量を出すように調整されているとか、噴水の水をすぐに補給できるようになるとか、目を離してても噴水でエリクサーを収納することを意識していたら距離に関係なく収納できることに気づいたため、攻略が終わるまでは永遠にエリクサーを収納することにした。ちなみに、今も結構な勢いで増えている。700万リットルって果たして使い切れるのだろうか。
とまあ、ある程度のエリクサーを収納できたし、現在進行系で収納しているので、今度は店の方を見ることにした。
店に入ると、中にあるのは一つの机と、《初めて利用するお客様へ》と書かれたパンフレットの2つだけだった。
パンフレットを見るのが良さそうなので、早速開いてみる。
『終焉売店へご来店いただき、誠にありがとうございます。初めてご利用するお客様のために、当店でのマナーをご説明いたします。しっかりとお読みの上、ルールを守ってご利用ください。』
パンフレットが長かったので省略するが、そのパンフレットを読んで分かった終焉売店の利用方法はこうだ。
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1.この売店での通貨はエントと呼ばれる通貨であり、これは魔物を倒したり、宝箱を開けたり、終焉で新たなスキルや称号を獲得することで手に入る。
2.今回はパンフレットがあったが、次回来店時(次に店に入った時)からはパンフレットの置いてある机に、商品を購入できるパソコンが設置される。また、新たに購入した商品が置かれる机も設置される。
3.この売店では攻略に役立つ様々なアイテムが購入できる。例えば、終焉専用魔物図鑑や、質問券が買える。
4.商品の不正購入や、店の破壊等を行った場合は必ず死亡する即死トラップに自動的に転移する。
5.多くの層を攻略するほど取扱商品が増えていき、もしかしたら挑戦者の世界の物も取扱商品として現れるかもしれない。
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『以上となっております。ルールを守って、楽しい終焉ライフをお送りください。』
その文を読むと、パンフレットは消えた。
ご覧いただきありがとうございました。感想お待ちしております。
もし誤字脱字等がありましたら、ぜひご報告ください。




