幕間3話 人造人間1号誕生
自動人形娘ハルカが、誕生して数カ月、アキバ島にでは、新しく開設される修道院の建設が、順調に進んいった。
女神聖教の名誉教皇であり、実質的な最高権力者が、自ら修道院長を務める修道院の建設工事である。
女神聖教団の信者達は、無料奉仕ながらも修道院の建設工事に喜んで協力した。
ナンノ王国でも国教でもあり、王族が熱心な女神聖教の信者で有る為、新しい修道院の建設には、協力を惜しまなかった。
王国の各地から、腕の良い石工や大工が、修道院の建設のたるに集められた。
又、卓越した才能を持つ建築家も修道院建設の為に、駆り出された。
王国と都市国家群から、人材と資材が惜しみなく集められて普通は、数年かかる工事は、聖女神歴317年の10月末には終わった。
無駄な装飾を省いたシンプルな設計と、アキバ島の溶石等を建築材として使用した事も、工期を短縮する事の原因の一つかも知れないが。
辺鄙な田舎の小島に、厳めしい灰色の修道院は完成した。
修道院工事中の数カ月間は、大魔導師ヒロトは、新しい生命体を創りだ為に、屋敷の研究室に籠り研究に没頭していた。
女神より与えられた力と幾多の異世界で得た知識により、自動人形1号ハルカの誕生後、9体の自動人形を創造する創造する事には、成功していた。
新たに誕生した9体の4腕型自動人形は、ハルカと違い意識体を移植されていない為、自立式人工知性で動く自動人形だった。
新たに加わった9体を含めた、4腕型自動人形がメイドとして彼に仕えていた。
灰色の魔術師は、次なる目標は、人間の持つ多様な先在能力を引き出し新しい人間を創り出す事であった。
総裁を務める全世界人造人間開発改良ギルドを通じて、ナンノ王国と都市国家群から素材となる精子や卵子を集めた。
全世界人造人間開発改良ギルドは、彼が全世界人造人間の素材となる卵子や精子を集める為に新たに発足した組織である。
女神聖教の信者は、喜んで自ら卵子と精子を提供した。
信者達は、名誉教皇を兼ねる大魔導士の頼みを断れる筈もなかったが。・・・
全世界の女神聖教の信者から、卵子や精子が集められ冷凍魔術で、保存されて転移魔術で彼の屋敷に送られた。
潤沢な素材を得て彼は、新しい生命体である人造人間、創造の研究に寝食を忘れて没頭した。
尚、研究に没頭する彼の面倒を見るのは、ハルカと9体の自動人形娘のメイド達であった。
彼女達は、食事の用意や実験の助手等と様々な場面で灰色の魔術師の世話をした。
夜の相手も彼女達の仕事であった。
ハルカの誕生から数カ月、試行錯誤を繰り返していた。
自動人形よりも、より人間に近い新人生命体、人造人間の創造の試み失敗の連続であった。
時には動植物の遺伝子を組み込み、又は彼の不老長寿の遺伝子を受精卵に組み込んでは、新たな人造人間の創造を試みた。
試行錯誤を繰り返した後に、1体の人造人間の創造に成功する。
移転前は生物学者であった、大魔導師ヒロトてあったが、趣味でイラストを画いていた為、芸術家の一面もあり生物として完璧に機能するだけで満足しなかった。
彼は、己が美的感覚を満たす、芸術品としての美しを待つ美少女人造人間を創造する事に拘ったのだ。・・・
異世界に魔王として転移してからは、我々の美的感覚とは掛け離れた美的感性を持つに至ったが・・・
灰色の壁に囲まれた殺風景な実験室の培養槽、人工羊水の中に漂てた。
人造人間1号の美少女は・・・
培養槽には人工羊水が満たされ彼女の臍は、人工臍の緒繋がれ栄養液を供給されていた。
人工羊水の中を海藻の様に揺らめく彼女は、美しかった。
細身の身体は完璧な曲線を描き、胸の双丘は大きく盛り上がっていた。
人工羊水の中、揺らめいているホットピンクの長い髪は、海中を揺らめく海藻を思わせる。
完璧な容姿とプロポーションを持つ人造人間1号だが、決定的に人間とは、異なる身体の特徴がある。
彼女には、美しい腕が、左に3本、右に3本、合計6本の美しい腕があるのだ。
6腕型人造人間は、人の意識体を移植されて初めて完成する。
満足のゆく人造人間の創造に成功した、灰色の魔術師は、後に動植物の能力を組み込んだ様々な形態の人造人間の創造に、のめり込む事になる。
人造人間1号は、ホットピンク色の瞳を見開き虚つな表情を浮べ宙を見据えている。
ホットピンク色の瞳に、知性の輝きが宿る日が近づいていた。
新生命体、人造人間が、大魔導師ヒロト・フォン・ルドームの眷属として加わる日が・・・
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