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11話 元海賊娘の妹、修道聖女サクラの話

 #1

 修道聖女(シスター)サクラ視点 


 アタイの人間としての人生は、終わりを告げようとしている。


 成す術もなく蜘蛛の網に縛られ、寝台に横たえられている、アタイの横の寝台には、一糸纏わぬ全裸の美少女が横たえられている。


 ラベンダー色の長髪をした彼女は美しい。


 海賊団の隠れ里で、一番の美女と言われた、副海賊頭の姉貴も横たえられている美少女の美しさには、足元にも及ばない。


 但し、彼女は人間ではない。


 美しい2本の細腕の脇からは、4本の触手が、生えているのだ。


 悪魔の魚と忌み嫌われている(たこ)の触手が。


 アキバ修道院を襲撃した、アタイら海賊団を蹴散らした化け物女の仲間に違いない。


 海賊頭の兄貴が率いる海賊団は、新年に開院したアキバ島の修道院を襲撃した。


 修道院には、ヒロト修道院長以下、5名の修道聖女(シスター)しか居ない。


 危険は少なく儲けの大きな仕事の筈だった。


 だが、アタイら海賊団を迎え撃ったのは、か弱き修道聖女ではなく異形の姿をした化け物女達だった。


 4腕、6腕の異形の姿をした化け物女だが、異形の姿故、美しかった。


 額に一角を生やした大女が、4腕全てに戦棍を振りかぶりアタイ達に、突進してきた。


 兄貴率いる海賊団は、命知らずの荒くれ者どもだが、美しいも異様な姿をした女戦士達の前に怖気づいた様だ。


 命知らずの野郎どもが、蜘蛛のを散らす様に逃げ出したのだ。


 海賊頭の兄貴と海賊副頭の姉貴とアタイをその場に残して。


 その判断は、正しく、そして間違っていた。


 逃げ出した手下どもは、4腕の化け物女達に成す術もなく戦棍で殴られ倒されていく。


 兄貴と姉貴は半月刀と短槍で反撃を試みたが、無駄だった。


 一角の大女が纏う露出の多い鎧の露出部分に、半月刀で切りつけようが、短槍で付いても無傷だ。


 掠り傷一つ付ける事も出来ない。


 一方的な蹂躙戦が始まって暫くして、アタイら海賊団は全て倒され、6腕の化け物女が、手首から出した蜘蛛の糸で縛り上げられてしまった。


 捕らえられた海賊一味は、人体骨格の化け物に担ぎ上げられ運ばれていった。


 その時以来、兄貴と姉貴の消息は知らない。


 #2

 頭巾の付いたローブを纏った長身の男が、金髪の美少女従えてアタイが、横たえられている寝台の脇に立っている。


 アキバ修道院長にして、女神聖教の名誉教皇の大魔導士ヒロトだ。


 ダークグリーンの瞳でアタイを見つめ冷たい声で、アタイに話しかけてくる。


「海賊のお嬢さん新し身体は気に入ったかい?」


 隣の寝台に横たわる異形の美少女は、アタイの為に用意された新しい身体だったのだ。


 アタイは、魂を化け物に移植されて生まれ変わるのだ。


 海賊団を蹴散らした化け物女の仲間に、大魔導士ヒロト・フォン・ルドームの眷属として。


 大魔導士ヒロトとビキニアーマーを纏う修道聖女ハルカが見守る前で、アタイの変身の儀式が始まる。


 巨大な腕がアタイの身体に侵入して、魂を力ずくでもぎ取っていく。


 19年の生涯で、襲われた事の無い激しい痛みに全身が襲われた後、全ての感覚が遮断された。


 魂が暗黒の虚空を漂っている。


 暫くすると、五感が身体に戻ってくる。


 指先から、4本の触手の先から徐々に身体の感覚が、戻り始める。


 アタイの魂は、化け物女に移植されたのだ。


 激しい動揺がアタイを襲う筈だが、魂が新しい身体に馴染んたのか、価値観が反転す。


 新しい身体は、化け物ではない。


 大魔導士ヒロト様より、賜った素晴らしい身体なのだ。


 4腕、6腕の異形の姿をした女達は、アタイの敵ではない。


 ビキニアーマー纏いと美しい姿を誇らしげに晒す修道聖女達は、信頼できる仲間なのだ。


 大魔導士ヒロト様は、アタイの敵ではない。


 アタイが見も心も魂さえ捧げて、永遠(とわ)にお仕えする主なのだ。


 大魔導士ヒロト様とアキバ修道院を襲う者達こそ、アタイの敵なのだ。


 大魔導士ヒロト様の望みは、アタイの望み。


 大魔導士ヒロト様の喜は、アタイの喜び。


 その夜、アタイの歓迎の為に、特別に聖なる夜伽の儀式が開催された。


 アタイは、4名の先輩の修道聖女と一緒に、愛と創造の女神リリス様の金色に輝く神像の前で可愛がって貰った。


 他の修道聖女も証言しているが、聖なる夜伽の儀式は、アタイが19年の生涯で経験した中では、最高に素晴らしい経験をした夜だった。


 夜明けまで、可愛がって貰い、女としての喜びをしり、隋期の涙を流した。


 こうして、アタイは女神を信じない愚かな海賊の娘から、女神教、修道聖女サクラへ生まれ変わったのだ。


 女神様、貴女の御使いである大魔導師ヒロト・フォン・ルドーム様を地上に遣わして頂いた事に心より感謝します。


 #3

 修道聖女ハルカ、貴女もご存じだと思いますが、私の身の上話は、以上です。


 え、最期に身体のデータを記録に残すので正直に申告しなさいと・・・


 分かりました。


 私は、大魔導士ヒロト様の忠実な眷属、修道聖女(シスター)サクラです。


 身長:年齢は、他の修道聖女達と同じく不老長寿の為、18歳です。


 身長:158cm です。


 体重:未公開です。


 スリーサイズ:バスト82cm ウエスト58cm ヒップ84cmです。


 髪の毛と瞳の色は、ラベンダーです。


 私の身体で一番のお気に入りの部位は、4本の蛸の触手です。


 そして、海賊の隠れ里で育った私に相応しい、水中で呼吸が出来る鰓が脇腹にある事も気に入っています。


 尚、私も魂の抜け殻と化した古い身体は魔術焼却炉で焼却しましたよ。


 遺灰よりヒロト様に、ダイヤを合成して貰い、腕輪等の装身具にはめ込んでいます。


 素晴らしい、人造人間(ホムンクルス)の身体をヒロト様に賜ったので、風呂い身体は必要ありませんからね。


 以上で宜しいでしょうか修道院長代理、修道聖女ハルカ。


 #4

 修道聖女ハルカ視点


 第2期修道聖女は、修道聖女サクラ、貴女ただけでしたね。


 第3期修道聖女4名の話を聴くのは、暫く時間を置く事にしましょう。


 貴方も含めた5名の修道聖女の話を公式記録に纏めるには、時間が掛かりそうですしね。


 わたくしは、ヒロト様の秘書とメイド頭も兼務していて色々と忙しい身ですからね。


「お仕事頑張ってくださいね」


 貴方に言われなくても、わたくしは、身を粉に我が主、ヒロト様に仕えていますよ。


 わたくしが、自動人形(オートマタ)自動人形(オートマタ)でなければ、過労死していますよ。


 修道聖女サクラ、今宵は第3期修道聖女4名達と、聖なる夜伽の儀式ですね。


 頑張ってヒロト様に沢山、可愛がって貰いなさい。


「私、修道聖女(シスター)修道聖女(シスター)サクラは、大魔導士ヒロト様の忠実な眷属です。今宵も夜伽を頑張り、他の修道聖女達と一緒に沢山、可愛がって貰ってきますわ」

誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。

又、誤字・脱字のご指摘とご感想もお待ちしています。


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