笑ってはいけないメイドさんの寝かしつけ
おや?もう、またぼっちゃまが夜更かししてる。
こーら、ダメですよー。あんまり夜更かししてたら、大きくなれないんですからね?
しょうがないですねー。私がとっておきの絵本を読んであげますから、いい子におねんねしましょうね?
それでは、読み聞かせのはじまりはじまり。
「童話 意識高い系シンデレラ」
むかしむかし、ある国にシンデレラという女の子がいました。
シンデレラと一緒に暮らしているのは、コンプライアンス的に課題のあるまま母と、コンペティターである二人の姉。
意地悪なコワーカー達にパワハラを受け、シンデレラは毎日アウトソーシングされるタスクをASAPでアジャイルにこなさなければならないワンオペ状態になっていました。
そんなある日のこと、シンデレラのオフィスにコンサルタントのおばあさんがやってきて、イノベーションに関するノウハウをシンデレラにサプライしてくれました。
コンサルティングの力でワーキングスタイルのアウトフィットに変身したシンデレラは、カボチャの馬車に乗って御社へ向かい、王子様にアポイントメントを取ってMTGへ参加しました。
御社オフィスにて王子様とのMTGを行うシンデレラ。今後のスキームと将来的なビジョンに関する意見交換を行い、包括的アライアンス契約まであと一歩というところ。
けれども、御社と弊社のヴァリュアブルな時間は過ぎていきます。
その途中、シンデレラはコンサル契約に関するおばあさんからのメンションを思い出しました。
コンサルタントのおばあさんと交わしたマネジメント契約のリミットは、御社の定時時刻ちょうどまで。
タイトなスケジューリングではありましたが、定時時刻を過ぎてまでMTGを行うなんて、ワークライフバランスの観点からは当然ナンセンスです。
だからシンデレラは、MTGの議事録を作成したあとオンタイムで御社から直帰しなければなりませんでした。
定時退社をトッププライオリティにASAPで御社から去ったシンデレラ。
しかしその帰り道の途中、不注意にもガラスの靴を御社のロビーに落としてきてしまいます。
これはアウトフィットの指さし確認を忘れたシンデレラの重大インシデントと言えるでしょう。
王子様はどうしてもシンデレラをヘッドハンティングしたいと考え、シンデレラの残していった靴をエビデンスに、フィージビリティ度外視で子会社のマンパワーも活用して国中をサーベイします。
やがて、シンデレラの働くオフィスにも王子様はアポなしで現れました。
意地悪なまま母と姉たちも王子様にアプローチしましたが、王子様にとってサードパーティーの存在はスコープ外です。
結局、ガラスの靴を履くことのできたのは、シンデレラだけでした。
シンデレラこそがあの時のMTGで王子様とディスカッションしたパートナーであるというコンセンサスを獲得し、王子様に対してアイデンティティを証明することに成功したのでした。
こうして王子様との長期パートナーシップ契約を結んだシンデレラは、心の優しさというコアコンピタンスを武器に、御社との末長いお付き合いを確約しましたとさ。
めでたしめでたし