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廃課金者の異世界建国記  作者: 月うさぎ
第一章 異世界転生
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第一話 異世界転生

本日は一時間後にあと一話投稿させていただきます。

明日からは9時、21時に更新していきます!


「ん……ここは?」


 目が醒めると目の前には大きな木が風に揺られて靡いていた。


 悠太は寝っ転がっているので、ちょうど真上を見ている形になる。


 当たり前といえば当たり前なのだが、そこで悠太の頭ではストップがかかる。


「僕ってさっきまで部屋にいたよな。なんでこんなに天気のいいところで日向ぼっこをしているんだろ?」


 そう、悠太は先ほどまで自分の部屋でGMOをしていたのだ。


 だが今起き上がって景色を見たところ、ここはだいぶ異なっているところもあるが、GMOのクラメルの街というところにそっくりなのだ。


 明らかに日本にいた時では考えられないような風景であり、ここが日本ではないことがまだ完全に頭が働いていない悠太でも理解することができた。


『まさか……ここはGMOの世界か?いやでもクラメルの街とはかなり違った様子だし……よし、試してみるか』


「ステータスオープン」


ーーーステータスーーーーーーーーーーーーーー


レイン Lv1 


HP 70/70 MP 50/50


攻撃力 50

防御力 30

俊敏  40

知識  30

器用さ 30


-スキル-



-ユニークスキル-



-エクストラスキル-



-称号-




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやいや笑えないよこれ……」


 悠太もといレインは自分のステータスを見て絶句し、しばらく固まる。


 自分が丹精込めて育て上げたキャラになっていることなど今はどうでもよく、それ以上にステータスがほとんど初期化されていることにレインはかなりのショックを受けた。


 幸いと言っていいのかスキル欄などは空白でほぼ無限にセットできるようになっているため、レインの予想ではあるが課金した要素だけは残っているのだろう。


 例えばレベル上限だったり、アイテムボックスの容量やその中身だったり、スキルや魔法だったり……は既存のまま残っている可能性が高いが、レベルやステータスは元に戻されてしまっている。


「……これは後で確認だね。今は現状確認が先かな。とりあえず先に宿を探して落ち着こう。幸い、少量だが通貨はある。課金ばっかりでゲーム内通貨を全く集めていなかったのがここで裏目にでるとは……」


 レインは基本的に課金で事足りていたため、ゲーム内通貨はほとんど捨てるか必要な無課金プレイヤーや初心者に無料で譲渡していた。


 メニュー画面の所持金のところを見るとそこには最後にゲームをプレイした時と同じ額があったので、多分上手く引き継がれているのだろう。


 レベルが引き継がれなかったり、ゲームの通貨が引き継がれていたりで確認したいことは山ほどあるが、今は先ほどレインが自分で口にしたように落ち着いた場所が必要なため、レインは広場から出て宿を探す。


 街を歩いていると、少数だが獣人がいたりしてここが日本ではないことを強制的に知らしめさせられたレインだったが、今は憂鬱になりそうな気持ちをぐっと堪えて目的の宿屋まで早足で移動する。


 少数と言っても一ヶ月は優に生活できるほどの額を所持しているため、レインは最初に目に入った宿屋に入ることにした。


「泊まりか? 何泊だ?」


 レインが宿屋に入ると、すぐに気がついたのか50代くらいの男性が声をかけてくる。


「とりあえず3泊でお願いします」


「それなら銀貨5枚だ」


「はい、お願いします」


 レインはそう言って一応懐のポケットからお金を出すふりをして、宿屋の店主に銀貨5枚を渡す。


 まだこの世界がGMOの世界とは決まっていないためレインも念には念を入れて行動する。


「丁度だな。部屋はその鍵に書いてある番号のところだ。食事は1日3回で朝昼夕だ。時間は決まっていないがあまり早すぎたり遅すぎたりするのは困るから注意してくれ」


 店主はそう言いながらレインに101の鍵を渡す。その鍵の重さに改めてここが現実だということを実感し頭を抱えたくなるが、レインはそれを振り切って自分の部屋へと向かった。


「部屋は意外と綺麗だ。寝るのに心配する必要はなさそうで助かったよ」


 レインは意外としっかりとした個室であることに安堵する。


 個室にはシングルのベッドに机と椅子が1つずつあり、宿泊する分には十分なスペースがあった。


 ここでなら多少物を地面においても歩けないという事態に陥ることはないだろう。


「そうと決まったらまずは色々確かめないと。お金の方はなんとかなったけど、他にも引き継がれているところと引き継がれていないところを確かめないといけないし……」


 レインはそう言ってそれから約3時間にも及ぶ確認作業を行い、そのおかげでわかったことがかなりあった。


 まず一つ目。

 ステータスに関してだがスキルなどはレインが取得したスキルは全て存在し、スキルスロットや称号のスロットもゲームの時と同じように膨大に存在した。


 ただここで問題が1つ発生しており、何故かはわからないがスキルの殆どが使用できなくなっているのだ。

 レインの予想では、レベルやステータスのせいだと踏んでおり、現在レインが使用できるスキルは剣術Lv1と体術Lv1、そして火属性魔法Lv1だけであった。


 レインはGMOで何千何万とあるスキルを全て解放しているので、今のこの状況は非常にまずいのだが無い物ねだりをしてもしょうがない。


 スキルレベルも1からやり直しなことにレインは一瞬絶望を覚えてしまったが、また1から強くてニューゲームができることに、少しだけワクワクしていたりもした。


 他にもレインはアイテムボックスの中身を見てみたが、こちらもすべて健在であった。


 ただ、アイテムもスキルと同じように上位のものがほとんど取り出し不可になっていて、レインの愛用していた武器もすべて取り出し不可になっていた。


 あの武器があれば多分レベル上げや魔物を狩る時もかなり楽になるのでそれをみた瞬間、レインは少なくないショックを受けたが、すでに何度目かもわからないショックに慣れてきたのか復帰も早かったのは不幸中の幸いともいえるだろう。


 他にも、課金要素があった部分はすべて引き継がれてはいるものの、レベルが足りないせいかそれとも他に原因があるのかはわからないが、上位のものはすべて使用できなかった。魔法も同様である。


 今は火属性の魔法に少し適性があるだけで、他の属性の魔法は初級魔法も使用できない。


 せっかく魔法もありとあらゆる情報を買い取り、ほぼ全ての魔法を使用できるようにしたり運営からオリジナル魔法をもらったのに今のこの状況では使用することができない。


 まぁ、あんな強力な魔法を撃てば相手云々よりも周りに甚大な被害を出してしまうためあまり簡単には使用できないだろうが……


 称号も今は最初のー見習い戦士ーしか使うことができずこれは剣を装備した時に攻撃力と俊敏に5パーセントのバフがかかるというものである。


 ちなみに今のレインのステータス画面はこんな感じになっている。


ーーーステータスーーーーーーーーーーーーーー


レイン Lv1 


HP 70/70 MP 50/50


攻撃力 50

防御力 30

俊敏  40

知識  30

器用さ 30


-スキル-

剣術 Lv1

体術 Lv1

火属性魔法 Lv1


-ユニークスキル-



-エクストラスキル-



-称号-

見習い戦士



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「とりあえず、焼け石に水だとは思うがスキルのセットは完了っと」


 さっきとあまり変わらないがないよりマシなのでレインは一応セットしておく。


 ちなみにGMOでは普通ならスキルは5個、称号は1個しかセットできないが、これも課金要素で増やすことができ当然のごとくレインは大量にスロットを増やしているため何個でもセットできることができる。


 そんなわけで課金要素のことはだいたい把握できたが、それ以外にもレイン自身のこともだいたいわかった。


 やはりこの体は一ノ瀬悠太が GMOのキャラとして作ったレインと全く同じで髪はプラチナブロンドで、身長はだいたいになるが多分設定通りの175センチくらいだろう。


 自分が作ったから当然なのだがかなりのイケメンで十人いれば十人が確実にレインのことをイケメンと称するだろう。


 何故、自分の顔がわかったのかというとたまたま窓の外を覗く際に自分の顔を拝見する機会があり、その時に自分が本当にレインになっていることを自覚したのである。


「もう日が暮れてるのか……夕食でも食べに食堂に行こうかな」


 レインが窓から外の様子を覗くとすっかり日が沈んでおり、もう夜と言ってもいい時間帯になっていたのでこの世界に来てから初めての食事をとることにする。


 何が出てくるかはわからないがとりあえず食事を取らないと死んでしまうので、レインは重たい足を引きずって宿屋の一階にある食堂の方に向かって行くのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 投稿初日、あと一話読める幸せ。 [気になる点] イベントまでGMOどおりだったとしたら運営側の手筈の可能性がありますが、まぁ神様の仕業とした方が楽しげですね。 あと、金持ちというよりも天才…
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