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廃課金者の異世界建国記  作者: 月うさぎ
第一章 異世界転生
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プロローグ

新作です。

みなさんに楽しんでいただけるか、すごい緊張しておりますが、もしよければ処女作と同じように心を空っぽにして暇な時にでも読みに戻ってきてくださると嬉しいです。


 《Grand-Magic-Online》略してGMOは配信されてから約4年間で国内ユーザー数2000万人、全世界で1億人を超える超人気MMORPGである。


 西暦2046年現在。一口にMMORPGと言っても数や種類は膨大にある。その中でこれだけのユーザーを集められるこのゲームには他のゲームとは比べものにならないほどの魅力が存在した。


 それはズバリ『課金要素が多く、課金をすればするほど強くなる!』と『無課金でも楽しめる!』を絶妙なバランスで両立させていることである。


 両者は共に矛盾しあっていると言っても過言ではない。普通、この両者を両立させることなど不可能だと思われるだろう。


 ただ、このゲームは普通ではなかった。


 まず、課金要素のことから話していこう。普通のソシャゲなら課金をしても無駄になることが多く、ガチャ以外に課金要素がない! 完全なガチャゲーだ! と言ったものが多く、無駄な課金というものがほとんどを占めていた。

 だが、このゲームは違う。GMOには課金要素が膨大にあり、ガチャ以外にもいたるところに課金要素が存在する。


 例えば、本来ならばキャラクターのレベルの限界は100である。しかし、課金でレベル上限を増やすことができ実質レベル上限がないのだ。課金すれば課金するほどレベルの上限が上がっていき、それだけステータスもあがっていく。

 しかも、レベルの上限に際限などなく課金すればするほどレベルの上限が上がっていくので全く無駄になどならないのである。


 現にGMOの攻略サイトで課金のおすすめを見ても、困ったらレベル解放に課金しろと推奨されているくらいだ。

 まぁ、レベルを1上げるのに1000円と破格の値段となっているが、その分GMOではレベルが1違うだけで明確な差が出るようになっている。


 この仕様のおかげで、せっかく課金したのに無課金のプレイヤースキルが高いプレイヤーに負け「課金したのに〜」と言ったことがほとんどなくなる。


 それでもほとんどではあるが……

 稀に課金者狩りの無課金プレイヤーがいるので一概に課金をすれば無課金者に勝てるとは言えない。


 他にもアイテムストレージを増やしたり、魔法の数を増やしたり……と様々な課金要素が存在するのだ。

 もちろんこのゲームにもガチャ要素はあるが、これも種類が多すぎてレア度がRのものでもかぶることはほとんど無く、おかげで爆死した! と感じることもほとんどない。


 一体どうしたらこんなにたくさんの要素を1つのゲームに詰め込むことができるのか、全ユーザーの間でも謎とされているがその自由度の高さからほとんどのユーザーが無理のない範囲で課金をするようになった。


 勿論、先ほど言ったように無課金ユーザーでもとあるクエストの報酬で課金と似たようなことが出来るし、課金者には入ることのできない無課金者専用のエリアなんかも結構な数存在した。


 この無課金者専用エリアのお陰で無課金者による「課金者死ね」コールがほとんどなくなり見事『課金』と『無課金』の両立が成されたのであった。


 そして、この神ゲーことGMOをやっていれば絶対に一度は聞いたことのある伝説のプレイヤーが存在した。

 曰く、『公式ボスを何度もソロで打ち破った化け物である』と。


 曰く、『PvPでは連戦連勝、無敗を誇る』と。


 曰く、『運営泣かせ』などなど沢山の逸話や二つ名が存在する。


 具体的に言うとこの2つ目のPvPに関していえば世界ランキング2位から1000位の猛者が集まり1対999でPvPを挑んだがランキング2位以下の完敗で終わっている。


 それだけの力量差が離れている存在に普通はおかしいと思うはずなのだろうが、この戦ったプレイヤー達は全員その圧倒的な強さにただただ魅了され、その後も戦った999人を中心にファンクラブが結成されそのプレイヤーを崇めるといったこともしていた。


 何故こんなことが起きてしまうかと言うとそれは至極単純なことである。


 そう、課金総額が圧倒的にランキング1位と2位以下で離れているためである。簡単に言うならばランキング1位と2位の間での課金総額の差は二桁から三桁ほど違う。それほどまでに1位のユーザーはこのGMOにお金を費やしているのだ。


 そして、ここまで引っ張っておいて言うのもなんだが、そのランキング1位と言うのが現在も一人で黙々とGMOをプレイしている一ノ瀬 悠太、22歳である。


 課金総額は軽く1000億円を超えており配信当日から1日にだいたい7000万円課金している計算になる。イベントの時や限定ガチャの時なんかは軽く1億ほど課金してたりもするので実際には1000億では歯止めが効かないだろう。


 ここで、「何故、悠太にはここまで課金するお金が存在するのか?」と言う疑問が浮かび上がってくるだろうがその答えは一つ。


 『悠太がお金持ち』だからだ。当然といえば当然なのだがお金持ち以外でゲームに1000億以上も課金することはできないだろう。


 ちなみにこのGMOで課金したお金は全て悠太が自分で稼いだお金である。決して親から盗んだお金などではない。


 そこら辺の疑問を解くには、まずは悠太自身のことを説明しなくていけないだろう。















 一ノ瀬悠太は……と言うか一ノ瀬家は端的に言えば天才の集まりだった。


 父は資産家で大成功し、母も人気小説作家として現在進行形で大活躍している。妹の美柑だって超売れっ子女子高生モデルとして活躍し、たまにテレビなんかにも出演している。


 なんでも『一億年に一度の美少女』だそうだ。


 それをみた悠太は思わず苦笑してしまったが、そう言われるほどのルックスを美柑は持っているので悠太もわからないことはなかった。


 それ故に一ノ瀬家がお金に困ることなどまずなく、不自由な生活とは皆無な環境で育った悠太と美柑であった。が、美柑とは違い悠太には何かに熱中できる趣味がなかった。


 高校を卒業し、GMOに出会うまでは本当にただ勉強や友達と遊ぶくらいしか趣味と言えるものがなく、意味のない一日を過ごしている日が多かった。幸い、悠太には父と同じく株や投資の才能があり父に観察眼を鍛えられたことによって、中学の頃から親の合意のもとで株や投資にちょくちょく手を出していた。


 投資では、悠太は父以上の才能を持っており、今までで損をしたことがなく利益が増えて行く一方であった。

 人生イージーモード。


 それは他人が聞けば羨むようなことだ。だがその本人である悠太からすれば全く苦労をすることなく手に入るお金など虚しいだけでなんの価値もなかった。


 悠太は顔も悪くなく学校ではトップ3に入るイケメンであり、それに加えてお金持ちということもあり学校の女子からは引く手数多だったが、悠太は特に女子と付き合うこともせず全員と友達以上の関係になることはなかった。


 まぁ、そういうこともあって悠太の資産は大学に入るまでに500億円と自重していたのにも関わらずすごいことになり、高校を卒業し大学に入学し自由度がさらに増えると自重というものがなくなり22歳までになる間にGMOの片手間としてやっていた株や投資の総利益が1200億にも達したというわけだ。


 故に悠太は総資産の8割以上をGMOに費やしているわけだが、悠太自身全く損をしていると思っていない。


 そもそもあっても虚しいだけのお金である。自分が使いたいと思えるようになって使うわけなのだから、たとえそれが形のない課金というものになってしまおうが悠太は全く後悔などしていない。


 ただあるだけお金を使っている状態である。


 さて、話は変わって今度は悠太の使用しているGMO内でのキャラの話になっていくが、簡単にいえば運営ですら手に負えないキャラになっている。


 先ほど紹介した『運営泣かせ』というのは2つの意味が存在し、一つ目は1ユーザーが1000億以上ものお金を課金してくれたことによる嬉し涙である。


 これは当然のことで普通に1000億ものお金があれば、ゲームも改良できるし初めの時点で悠太はGMOにかなりの額を課金していたので悠太のお陰でこのゲームがより良いものになり、全世界で人気になったと言っても過言ではない。


 そのお陰で悠太は運営から直接称号を送られたり悠太専用の魔法が存在したりするのだが、それはまたあとで話そうと思う。


 それよりも2つ目の理由が運営が新たにボスを作っても、悠太に一瞬で攻略されてしまいすぐに攻略法が出回ってしまうため、GMOの運営は2ヶ月に1体はボスを作らなくてはいけないのだ。


 これはかなりの頻度であり、イベントと並行して新たなボス作成もしなくてはいけないので、GMO運営陣は未だにかなり忙しいらしい。


 悠太自身も楽しんで運営をいじめている節があるが、そこは大量に課金している者の特権として多めに見て欲しい。


 そんなこんなで、悠太の作ったキャラーーレインーーは白き悪魔として運営からも恐れられることになったのである。


 だいぶ話が長くなってしまったが今現在も進行形でGMOをプレイしている悠太も区切りがついたのか毎日の恒例をしている最中である。


 それは何かというと……


「サイコロの数字は……6と5と6。かけて180だから1800レベル解放してアイテムボックスと魔法の覚える枠を増やして……」


 悠太はそう言いながらどんどんと課金を初めていく。


 そう、悠太は寝る前にサイコロを3つ降って出た目の数×10倍のレベルを解放しさらにその他すべての課金要素に課金をしていく。


 課金だけで1時間を使うゲームはそうそうないだろうがここに実例があるので認めざるを得ない。それだけ自由度が高いということだ。


「よし、最後にガチャ180回か。今日は何が当たるかな?」


 悠太は締めにとでも言いたげにガチャをガンガン回していく。


 これも一回100円、11回1000円なので180回というと単純計算で約1万6000円ちょっとのお金が必要になる。


 まぁその前にレベルの解放が一レベル1000円と言っておきながら1800も一気に解放して計180万円課金していることになるのだが……


 その他諸々も合わせると今日の課金総額は5000万以上とかなりの課金額となっている。


「よし、キリがいいからラスト10連。今日はかなりレアなものが多くてウハウハだな……ってなんかやばくないか?」


 悠太はそう言いながら最後の11連を引くためにガチャボタンを押すがその瞬間パソコンがいつもの10倍は大きく光りだしその光は悠太を包み込んで消えてしまう。


 それ以降、悠太は日本から姿を消し行方不明として処理されるのであった。


もし面白そう!と思っていただけたのなら評価、ブックマーク等よろしくお願いします!


コメントも全てお返事させていただきますので、じゃんじゃんお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] あと、『∞』のあとがき欄にこちらへの直リンクがあっても良いと思います。 …筆者様のこだわりかもしれませんが。 追伸:萌ェ要素を是非!ナビ的な!
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