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シズ

 宿舎の前に着くと、エントランスのソファーに一人の少女が居るのを視認した。

 「お、出迎えてくれてるじゃないか」

 「部屋で待っててって言ったんだけどね」

 ニヤニヤと言うティトに苦笑しながら答える。

 「仲良いな。俺なんて部屋に帰ったら殴られるぞ」

 「殴り返すんじゃないぞ、ティト」

 「分かってるって。軍事裁判沙汰にしたくないからな」

 軍事裁判にはならないと思うけど、責任を持ちたくないから黙っておく。あと、こんなことをティトは言っちゃってるけど、実際には仲良いことを僕は知ってる。

 エントランスの自動ドアをくぐると、シズが目を輝かせてこちらによってくる。

 「ただいま!」

 「うん、それは僕のセリフだよ?」

 「私の下にネオが帰ってきたから「ただいま」であってるんだよ!」

 「そういう理解もあるのか・・・」

 何故か妙に納得してしまった。

 「シズ、久しぶりだな!」

 「あっ・・・えっと・・・」

 ティトに声を掛けられると、僕の後ろへと姿を隠すシズ。

 「・・・シズ、もう僕の背中に隠れるのは難しいよ」

 2年間で身長が伸びたシズは、僕の背中に隠れようとしても体がはみ出してしまう。

 「ほら、俺だって。覚えてないか?」

 ティトが必死に自身の存在をアピールする。

 「・・・こんにちは」

 「おおおっ! ネオ! 遂に返事をしてくれたぞ!」

 「う、うん。良かったね」

 思ったより興奮しているティトに戸惑いながら返事をする。

 「おう! また今度な!」

 満足したのか、嬉しそうに階段を駆け上がるティト。

 「・・・誰だっけ」

 「おい、ティトに喜びを返してあげろよ」

 「あ、ティトさんだ。最近一緒の任務じゃないから忘れてた」

 うん、ティトの幸せの為に名前を忘れられていた事は言わないでおこう。

 「早く部屋に行くぞ。風邪を引いたらどうするんだ」

 「ネオが看病してくれる!」

 「しません」

 「えー、酷い。それは酷いよ!」

 「分かった、分かった。早く部屋に戻るぞ」

 シズの部屋は三階の302号室。ちなみに僕の部屋は隣の301号室。兵士と思念術士の性別が同じ場合だと相部屋になるけど、異性の場合は別部屋になる。とは言っても大多数が異性のペアだ。何しろ、先天性の思念術を持つ子の九割九分が女子で、聖剣部隊の兵士は殆ど男子。ラウラのような同性のペアは滅多に居ない。

 「久しぶりにネオの部屋に行きたい!」

 「朝も来てただろ!」

 軽くシズの頭を叩く。

 「前にも言ったけど、朝方に僕のベッドの中に入るのは止めて欲しいな」

 「なんでー?」

 「いや・・・うん、まぁ、常識的に考えておかしいでしょ?」

 「分からない!」

 満面の笑みで常識を拒否された。言いにくいんだよな・・・。シズはいわゆるグラマーと呼ばれている体型ではなく、かといって胸部がない訳ではない。ごく一般的な女の子の体型であり、14歳となると発達するものは発達してきている。だから、一緒のベッド寝られると、触らないように細心の注意が必要となる。実際、僕の睡眠時間はシズがベッドに来るまでになってる。いや、これは僕が我慢すれば良いだけのことだから別に良い。一番の問題はモラル的なものだ。17歳の男子と、14歳の女子が血縁関係でもないのに一生に寝てるのは間違いなく、危険な香りがする。それが常識ってものだけど、常識を吸収せずに育ってきたシズには理解させるのが難しい。・・・それとも、これって案外シズだけではないのかもしれないな。今度、ティトに聞いてみよう。

 尚、聞いた結果、ティトは無言でネオから後ずさりをした。

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