第9話 全校鬼ごっこ
いきなり始まった全校鬼ごっこ。さあ誰が生き残るのか。
「鬼ごっこのルールとしては、校内なら何をしてもオッケーなんだよ」
なら魔法を使えば……
「ちなみに鬼は教師全員だからね。あと捕まったら、E組にいってもらうからね」
E組に?
「ちなみに階級はA組が一番上。E組が一番下。分かったのかなあ」
この放送、女の子か。と思うくらいしゃべり方が子供だ。
「さあもうゲームは始まってるからね」
屋上に繋がるドアが開く。
「誰だ?」
緊張で顔がこわばる。
「教師かいな」
桔梗は余裕そうだな。
「俺は体育教師の雲仙だ」
体育教師か!きついかもな。……顔が、
すると体育教師が襲ってくる。速いっ!
僕は咄嗟に魔法を使う。
「書く魔法 魔法No.5 物体浮遊」
教師が浮く。その瞬間に魔法を解除する。その一連の行動により教師が転ぶ。
「今だ、逃げるぞ」
僕たちは一斉に走り出す。
「気安く魔法を使わんといてやす」
桔梗が少し怒り気味に言う
だろうな。魔法を使えると知られれば、どんな目に遭うか分かったもんじゃない。
「分かったよ。」
「きゃー」
誰かの悲鳴だ。きっと捕まったんだろう。
つまり……
「近くにいるぞ」
僕は咄嗟に叫ぶ。
この時何かが頭をよぎる。何かいい魔法が会った気がする。
「だめだ。思い出せない」
僕は焦りの表情を浮かべる。
「どうしたの?」
木原さんが心配そうに聞いてくる。
「魔法の書に、今役に立つ魔法があった気がするんだ」
「わたしに任せなはれ」
桔梗が口を開く。
「でもまず隠れないとちゃうん?」
確かに。人前で魔法を使うわけにはいかない。
考える。
「おいお前ら。こっちだ」
忍者……服…?
なんだこいつ。制服じゃなくて忍者服?忍者か?
とりあえず忍者の方へ行く。
突然後ろから忍者が現れ、桔梗と木原さんを拘束する。
「さあ始めよう。命を賭けた、ゲームを」
ゲーム?
今回の魔法
・魔法No.5
物体浮遊
………指定した有機物を浮かせる魔法。