第21話 転校生
転校生が来る。
「転校生来るらしいぞ」
なにやらクラスが騒がしい。
転校生って珍しいか?
俺の学校なんか転校生だけのクラスあったぞ。
「転校生来るんだって」
柴山 弥助。俺の前の席の男だ。
「どうせただの引きこもりが、人生やり直そうと、転校しただけだろ。」
俺は屁理屈を言う。
「それはそれで凄いけど。」
弥助は苦く笑う。
予鈴と共に先生が入ってくる。
隣に……女か
実際俺は期待していた。
もしかしたら月島さんが戻ってくるんじゃねーかと。
そんな俺の希望は淡く消え去ったので、この転校生に興味はないんだよね。
グラウンドの生徒たちを見ていたのだが、飽きたので転校生に視線を変える。
いかにもお嬢様って感じだ。
どんなこと考えてんだろうな。
気になったので魔法を使う。
「書く魔法 魔法No.4 黙視読心」
聞こえてきた。聞こえてきた。
「全くうるさい男共だこと。挨拶くらいさせてーや。………てかいつまで騒いどんねんこいつら。いい加減黙れよ。おい教師、突っ立ってねーで仕切れゴミ。あー、イライラする」
ゲスやないか!
今回の魔法
・魔法No.4
黙視読心
………目をつむると周りの心の声が聴こえる魔法。一人に絞ることも出来るが、集中力が必要。




