第19話 月島さんは笑った。
次の日、月島さんは学校を休んでいた。
授業は学校が始まって初だったから、新鮮な感じがした。
そして学校は終わった。
夜8時、
「電話だ」
月島さんに公園に来てと言われ、公園に向かう。
公園のベンチに月島さんは座っていた。
それから、僕が今まで体験した話をした。もちろん魔法の事は伏せて。
そして一時間程時が経つ。
「ねー、神崎くん」
月島さんは唐突に切り出す。
「お母さんの病気。治ったみたい」
僕は少し動揺した。
「よ…よかったじゃん」
なんとか言葉を返す。言葉を返すだけでも精一杯だった。
「私見ちゃったんだ~。神崎くんがお母さんの病気、治してくれるとこ」
ドキッ!
「僕は治してないよ。はっはは……」
しばらくの沈黙。
月島さんは話を続ける。
「見てたよ。でもその後私を眠らせたでしょ」
月島さんは怒り気味に言う。
「ゴメンゴメン。バレたらヤバいと思って……」
「やっぱり治してくれたんだね」
ヤベッ
「神崎くん、優しいもんね」
僕は優しくない…
「もっと一緒に居たかったな~」
同じ気持ちだ…
「一緒に探検したりしたいし、もっと神崎くんの事……知りたかったのに」
しばらくの沈黙
「ねー、神崎くん。君の夢はなに?」
「しょ…小説家」
なんとか適当に応える。
「だったらいつか会えるね。お互い有名人になれるじゃん。」
月島さんの声は少し濁っていた。
涙が垂れるのをこらえるかのように…
「実は都合上により、遠くにいくことになりました」
月島さんの声はかすれていくばかりだ。
ここで別れるのか。いいのか俺。もっと話したいことがあるだろ。言えよ、俺。
「お…俺が…もし小説家になったら…」
言えよ。そうだ、言え。
「私と付き合ってください」
月島さんは僕の言葉を遮る。
すると月島さんは笑った。




