第17話 月島さんの夢
月島さん、これからよろしく
言うことを全部聞くってほんとにいいのか。
だめだ、やましいことしか思い付かない。
世間話でもするか。
「月島さんの夢ってなに?」
月島さんが少し動揺してる。
何聞いてんだ俺
「そんなことでいいの。もっと激しい質問来ると思ってたのにな~。ガッカリ」
月島さんは笑顔で喋っている。かわいいな
「逆にどんな質問来ると思ったの」
ニヤリと笑ってしまった。
月島さんは顔を火照らせ、照れていた。
「もう教えてあげない」
月島さんはそっぽ向いてしまった。
さすがに反省し、月島さんに謝る。
すると月島さんは笑顔になり話してくれた
「実は私ファッションデザイナーになりたいの」
頼んだら、スマホでデザインを見せてくれた。
「上手すぎだろ」
あまりに上手で体が石になってしまった。
月島さんは喜んでいた。
月島さんは話を続ける。
「でも親に反対されちゃって」
切ないな。
「でも頑張ってね、応援してるよ」
月島さんは微笑んだ。
「速く親に自分の描いたデザインが、町に出回るところを見せたいんだ」
その日は電話番号を交換し、終わった。
夜8時。一通の電話が掛かってくる。
月島さんだった。
僕は興奮しつつも電話に出る。
だが僕の興奮はすぐにやんだ。
「助けて。お母さんが、お母さんが」
僕は病院へ向かう。
「月島さん」
月島さんは驚いていた。隣に月島さんの父らしき人もいる
「お母さん、倒れちゃった」
月島さんは笑っていた。でもあれはただの強がりなんだとすぐにわかった。
だって…だって……今にも溢れそうな涙を、こぼれそうになっている涙を、見せまいとしているのだから。
僕は家へ帰ると、壁に八つ当たりをしていた。
「何でなにもできないんだ、お前には魔法があるだろ。救ってやれよ。お前はこの魔法を手にいれた時からなりたかったんだろ…。」
"英雄"に




