第16話 1年A組
魔法を使って生活ってたのしそー。
わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、わくわく、………………………
よりによってA組かよ。騙せんのか。A組は才能の塊とか言っててべた褒めだったからなー
とりあえず指定の席に着く。左端の一番後ろか。
「魔法使い放題じゃねーか」
つい叫んでしまった。
回りが変な目で見てくる。
「書く魔法 魔法No.……」
誰かがこっちに来る。
「女子だ」
どうする。どうする。ドクンドクンと心臓が早鐘を打つ。
10メートル
5メートル
4…3……2…………1……………0?
・・・・
「ちっ」
通りすぎただけかい!
軽く舌打ちをし、心を仕切り直す。
また来た、しかも女子。今日付いてるな。
10メートル…9、8、7、6、5、4、3…2……1……………0?
なんだこいつら。
冷静に回りを見渡す。
さっきの女子どもが集まって話している。
「そういうことか」
あいつら、僕で遊んでやがったのか。
また来た。今度は長髪でおしとやかな見た目の女の子。
あの子もやるのか。
恥をかかせてやるよ。魔法使いを怒らせるとどうなるか、思い知らせてやる。
「書く魔法 魔法No.5 物体浮遊」
女の子は浮く。その瞬間を見逃さず、解除。
見事に女の子は転んだ。
「いたたた」
女の子は顔を赤らめ近寄ってくる。
まだやるか
「神崎……翔君だよね。私、月島 杠って言うの。少し珍しいでしょ」
話し掛けてきた?
「さっきはゴメン」
咄嗟に謝る。
「こっちこそゴメン、あいつらが変なことしちゃってさ」
どうやら謝ってる理由が分かってないのか、とりあえず良かった。
「ねー、お詫びにいうこと全部聞いてあげる」
「ラブコメ展開、きたーーーーーー」
思わず立ち上がってしまった。
今回の魔法
・魔法No.5
物体浮遊
………指定した有機物を浮かせる魔法。人間にも有効だぞ。




