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第1話 書く魔法
「キャー、助三郎」
突如の叫び声。ふと声がした方向を見ると、ビルの屋上から子猫が落下していた。
やるしかねえな
「書く魔法、魔法No.5 物体浮遊」
その時空中に"物体浮遊"と指を走らせる。
程なくして子猫は空中でとまった。いや、正確には空中に浮いている。その方が正しいだろう。
その場は一時騒然となった。
それもそのはず、空中で猫が浮いているのだ。驚かない方がおかしい。
「まあ、いいか」
別に悪い事をしたわけではないのだから。それに誰も僕がやったと気づいていない。というか考える事も出来ないだろうな。目の前で超常現象が起きているのだから。
僕は魔法を解除して家へ帰る。




