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第108話 大災厄

「ミウ、ふざけないでくれる?俺のこと考えてすらいなかったでしょ今。君言ったよね一緒に死のうって。君から言い出したんだけど忘れたの?なんで俺だけ死にかけたのかわかるよね?それって誰のせいかな?あとちょっとのところで俺達の望みが叶いそうだったのに邪魔されてなんで延々と無駄話してるわけ?そうそう記憶取り戻したんだねおめでとう。で?だからそれ以外はどうでもいいって?よかったね会いたい人に会えて。ずっと会いたかったんだもんね。ここにいる俺のこと綺麗さっぱり忘れるくらいには。俺があいつにされてきたこと君に散々言ったけど君には関係なかったんだ。そうだよね元々おかしいと思ってたし。死にたがってる割には元気すぎるもんね君。結局は生きたかっただけで助けてもらえるんだったらそれでよかったんじゃん。あー馬鹿らしいなこんなに死にたいの俺だけか。出会わなきゃよかったよ君となんて。君だってそうでしょ『一緒に死のうね』って言ってくる他人より『生きろ』って言ってくれる人の方を『愛してる』んだもんねはいはいわかりました。家族とか何とか言って知らないよ。愛してるんでしょ?俺よりずっと!言ったじゃんミウこいつのこと殺してくれるって!俺を苦しめる奴は許さないんじゃなかったの?その場限りで都合のいいことばっか言っていざ正体がわかったら死なないでおとうさんってどういうこと?君にとって俺との約束ってその程度のものだったんだ。頼れる存在アピールいっぱいできて楽しかったでしょ?俺のこと守るの充実感あったでしょ?俺を利用して正義のヒロインごっこしてしょうもない人間関係広げて挙げ句の果てに寝返るとか馬鹿にしてるとしか思えない。っていうか誰でもよかったんでしょ?自分についてくるアクセサリーが欲しかっただけでしょ?大切な人と一緒に死ぬとかいう感動体験の演出をしてみたかっただけでしょ?だって俺のことなんにも知らないうちに結婚しようとか言ってきたもん薄っぺらいなあ。ああそうだ家族。結婚すれば家族になれるとかなんとか言ってたっけ?本物の家族が現れてくれてよかったね他人はもう要らないよねはいはいわかりました。ミウなんか大っ嫌いどっか行ってよ離婚しよ。もう俺の視界に入ってこないで。それとも何?この身体におとうさんがいるから離れたくないって思ってる?違うって何が?違わないじゃん。俺なんかおかしいこと言った?言ってないよね。結局は守ってくれる自分より強い男の人がいる方がいいんでしょ。俺がちゃんと生きててこうやって話もできるのに全然嬉しくもなんともなさそうだもんねわかってるわかってるって。わかってるって言ってるでしょ!心配しなくてもミウの大事な大事なおとうさんは生きてるよ、あいつ一人だったら即死だったけど俺がいたからね。ミストルティンの効果範囲外の純粋な『力』で内臓がすごい速さで回復しちゃった。ねえなんで俺がこんなに(リソース)を持って生まれてきたのかわかる?全部この男が仕込みました。元々この世界を作った神の持つ権能を盗んで、本来の決まり以上の力を持つ『人』が指定した地点に定期的に発生するよう設定しました。自分が乗っ取って、死にそうになったら次の器に乗り代わるつもりでね。道理で抵抗のひとつもできずに一方的に入って来られるんだね気持ち悪いよね。あ"あ"あぁぁあ"あ"気持ち悪い!気持ち悪い!ミウわかんないでしょいつも自分の一挙一動を知らない男の人に見張られてる気持ち悪さ!誰であってもどんな理由であっても消えてほしい、最初から生まれてこないでほしい、俺のことを認識しないまま別のところで昔に死んどいてくれたらよかったって気持ち、一生わかんないでしょ!わかんなかったとしてもなんで真っ先に俺の味方してくんないの!知ってる人なら尚更なんで俺のこと苦しめたこと責めてくんないの!わかんないなりに言えることいっぱいあったじゃん!なんで俺の名前一回も出さないの!ほんとに俺のこと忘れてたの!?俺と関係ない話ならともかく俺のことなんだよ!?ずっと目の前にいたのに!助けてって思ってたのに!忘れてないんならなんなの『そんなことよりおとうさんのことが大事』ってことでしょ!?ねえ俺の何が悪かったの!?この男と比べて何がどう足りなかったの!?君に自分勝手に愛されるままに受け入れて愛し返してあげたじゃない!なんでも言うこと聞いてどこにでもついて行ってあげたじゃない!可愛く笑ってあげたじゃない!何がおかしかったって言うの!なんで謝るの!ねえ!俺のこと愛してるんだよね!?愛してるんでしょ!?じゃあこの状況なんなの!説明してよねえミウ!話し合おうよ!話し合ったらまだわかり合えるかもしれないじゃんなんで何も言ってくんないの!ごめんじゃわかんない!聞いてる!?ねえ本当に俺がいなくても大丈夫とか思ってないでしょうね!君が守ってくれなかったら俺このままこの男に何されるかわかんないんだよねえミウ!ミウだって俺がいなかったら生きてけないよ!今だから言うけど雪山でも海でもここでも神であること差し引いたとしてかなり危なっかしい行動してたからね!?いつ恨みを買って殺されても文句言えないってくらい雑な振る舞いしてたけど俺があちこち目を光らせといたから無事でいられてるだけだからね!?ねえミウなんで黙るの!ねえ!愛してるよ!愛してるって言ってよ!いつも言ってくれるじゃん!俺のこと嫌いになった!?ねえ嫌いになったの!?怒ってるの!?怒らないでよごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい捨てないで見捨てないでミウ愛してるんだよミウ!ミウだって俺の方がいいよね?ずっとずっとずっとずっと俺と一緒にいるんだもんね?お前も!お前もうるさいんだよさっきから頭の中でごちゃごちゃと!はやく!はやくいなくなれって言ってんだよ!いや汚い!俺を使ってミウに触るな!ミウ逃げて!ミウ!たすけてミウ!ミウ!!いや、いやあああああああ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁぁぁ!!!!!ああ、ああぁぁわかりました!そんなにお望みなら今ここでわたくしとお前で死んでやりますわ!これ以上話しかけないでくださいませ無礼者!お前がわたくしからすべてを奪った悪夢を!お前が見殺しにした恩人の血を!あの詠唱をわたくしが覚えていないとでも!?お前のような下賎の者に止められる言葉など持ち合わせてはおりません世界もろともお死にあそばせ!(セイクリッド・)聖遺物(レリック) No.6 フェーズ3 本運転 詠唱開始!原始の光、黎明の熱源。光は熱、熱ありて命あり。命ありて海あり。空においては標、地においては宝。そして炉心においては文明の炎とならん。我の下に生まれよ、そして滅びよ!我こそは(フレイム・オブ・)火天なり(アグニ)!!!」

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