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起立性調節障害と私。

作者: 佐野はる

私は、起立性調節障害と闘っている。

嘘だと思うかもしれないけれど、これは本当の話。

起立性調節障害は、稀な病気であるとは言い難いから、きっと、この病気と今も戦っている人もたくさんいる。


私が、この内容で書こうと思ったのは、もちろん、患者さんの方に届いてほしいから。

でも、何より患者ではない、たくさんの人に伝わってほしい。

そして、私みたいな思いをしてほしくないから。


起立性調節障害は、外から見たら、病気に見えにくいらしい。

私も、仮病だと思われて、理解してもらえなかった。だから、辛かった。

私がどれだけ苦しんでも、痛がっても、誰一人として気付いてはくれなかった。

そして、気付いてくれない大人を責めたりなんかできないから、一人で抱えるしかなかった。


ここからは、少し病気のことについて。

起立性調節障害は、自律神経失調症の一種。

思春期になりやすい病気らしい。

朝に起きられない、立ち眩み、全身倦怠感、食欲不振、立っていると気分が悪くなる、動悸、失神発作、頭、痛夜はなかなか寝付けない、イライラ感や集中力の低下、吐き気。

起立性調節障害には、主にこれらの症状がある。

他にも言い出すときりがないから、ここまでにしておく。

これを聞いたら、少しは病気として受け止めてくれるだろう、なんて考える人もいるだろうけど、そんなわけがない。


辛かったのは、学校側にも理解がなかったこと。

友人にも頼ることは出来なかった。信じてもらえないと思っていたから。今思えば、頼ればよかったって思っている。でも、これは、冷静に考えている今だから言えること。あの時の精神状態なら、絶対に考えられなかった。


辛かったことは、まだ他にもある。

1つは、成績が大幅に下がったこと。

授業中にも頭痛に襲われて、病気のことを分かってもらえないと思って、保健室にも行かないでいた。

私は、中学1年生から、行きたい高校があった。だから、1年生からの成績が重要だった。

私は、塾にも通っていて、成績が下がったことを塾の先生にも怒られた。親にも。学校の先生にも。

どこを向いても私は怒られていた。だから、どうしていいのか分からなかった。

そして、もう一つは、塾でも同じだったから。

塾にも嫌な人がいた。からかって遊んでくる人が。

相手からしたら、単純にからかって楽しんでいただけだろう。

私も、あんなにひどくなるなんて思っていなかった。

ありもしない噂を立てて、笑いものにされていた。私は何もしていない。勝手に噂を立てて笑いものにされていたのだ。

それは、みんながみんなの噂を立てていた。でも、私の噂だけ、大きくなっていた。

それで、今も塾に行きたくなくて泣いている。


私はいじめられていたのかもしれない。中学1年生の頃。

周りのことなど気に出るような余裕はなかったから、良く覚えていないけど。

今はいじめられていない。周りの人ともうまく付き合っている。

でも、辛い思い出は今でもフラッシュバックしてくる。

毎日のように。


でも、そんな時にも夢はあった。

けれど、自己否定から、夢を失った。


それでも、自分を取り戻すことができたのは、人生を変えてくれた先生に出会えたこと。

その先生は、私の好きなことに気付かせてくれた。今も教えてもらっていて、恩師だと勝手に考えている。今は、その先生に憧れて、生徒に寄り添える中学校の先生になりたいと考えている。


振り返っている今も、もちろん、辛い。

過去の自分と向き合うことは嫌だ。でも、向き合わないと変われないと思うから過去を振り返る。

そして、今も泣きたいときはある。

『人間だから当たり前だろう』って思われるかもしれないけれど。

そんな時は泣くようにしている。

きっと泣かないとつらい。泣いたって意味はないかもしれないけど、それをきっかけに人に頼ればいいと思う。


泣いたっていいんだ。

泣いたからって人生が台無しになるわけじゃない。立ち止まったっていいんだ。

立ち止まってしまったなら、また歩き出せばいい。

それを繰り返して成長すると思うから。




私には、小説を書くことに意味を感じなくなり、一度書くことを辞めた。こんな私が書いたって、何も伝わらないと思ったから。だけど、書こうとしたのは、この思いは体験した人にしかわからないと思ったから。自分だから伝える何かを見つけたいと思ったから。

起立性調節障害のことだって、いくら親でも、医者でも、体験してみないと、結局のところ分からない。

だから、私がつらい思いをしたのは、きっと、伝えるという意味があると思った。

今は、学校は楽しい。塾はつらい。でも、今は、自分は見失っていない。大切なことに気付けたから。大切な人の存在に。


私が書こうと思ったきっかけは、些細なことかもしれない。

だけど、今は小説を書いている。それは、自分には小説を書くことで、力になれることがあると考えているから。力になれないかもしれない。でも、私のような思いをしてほしくない。

もし、悩んでいる人がいるなら、人に頼ってみてほしい。私は分かってもらえなかった。でも、私は、ちゃんと伝えてこなかった。ちゃんと伝えたら、現実は変わるかもしれない。


今はつらいかもしれない。でも、人生からは逃げないでほしい。辛いことは永遠には続かない。いつか光が待っているから。だから、それを信じて、今を生きてほしい。


そして、サポートする人も、信じてほしい。

そして、周りの人について考えてほしい。

患者さんは、周囲のことについて、消極的に捉えがちになってしまう。

だから、サポートする人は、前向きに捉え、助けてあげてほしい。


長文で書いたのには、伝わってほしいから。

気分を悪くしたなら、ごめんなさい。

気分を悪くさせたなら、それは本望ではありません。


私は、ただ、起立性調節障害で今も苦しんでいる人の少しでも力になれるように書きました。



絶対に諦めないでください。そして、自分と向き合ってみてください。

絶対に、ひとりなんかじゃありません。

諦めないでください。

それが、私の本望です。


読んでくださり、ありがとうございました。



※これは、全て私の体験談であり、個人差のあるものです。







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