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2話
「母さん、むつは今うちに泊まってるんだ」
「あら、そうなの?何かあったの?」
「うーん…」
むつが答えるのを渋るように誤魔化すと、晃と父親も気になったのか、むつの方を見た。見合い話の事では揉めているとは言えど、それとむつが冬四郎の所に泊まっている理由とは話が別だ。
「…むつの所に不審者が出たんだ。それで、しばらくうちに泊まるように俺が言ったんです」
簡潔に冬四郎が答えると、両親は勿論だが、晃も驚いたように目を見開いている。
「だから、母さんも泊まるならうちに。その方が危ない事もないと思うし」
「と、冬四郎。待ちなさい、そうじゃなくて、むつの所に不審者がって…どういう事なんだ?警察には届けたのか?」
「届けてない。だって…お兄ちゃん来たら急に居なくなったから…あたしがお兄ちゃん来るからって玄関開けといたのもよくなかったし」




