79/1084
2話
立っているにも疲れたのか、むつはずるずると座り込んだ。フローリングの床は冷たかったが、そんな事も気にせずにむつはつまらなさそうな顔で、甘く甘くしたカフェオレを飲んでいた。
いつの間にか言い合いも終わったのか、むつが顔を上げるとしゃがみこんだ冬四郎と目が合った。冬四郎は笑みを浮かべると、むつの頭をくしゃっと撫でた。
「眠かったんだな?」
「うん…もしかして、ちょっと寝てた?」
「みたいだな。そこじゃ冷えるだろ?兄貴どかしてやるから、ソファーに行けよ」
「…終わったの?」
「何が?」
「お兄ちゃんたちの言い合い」
つまらなさそうに言う、冬四郎はばつが悪いかのように、ちらっと晃の方を見た。晃にもむつの声は聞こえたのか、苦笑いを浮かべるばかりだった。




