7/1084
1話
「お寺だから、常に何かしらあるもんね」
「そうだな。むつ、お前こうして喋ってていいのか?仕事中とかなら、あんまり引き留めて迷惑をかけたくない」
「大丈夫だよ。仕事して事務所に戻ってる途中で、ついでに昼休憩取っておいで、って」
「そうか。幼馴染みの娘は元気か?あと山上と兄貴と西原も」
「菜々ね。4人とも元気だよ。ね、今度遊びにおいでよ」
「はぁ?どこに…」
「うちか事務所に。社長とお兄ちゃんと先輩の顔見においでよ」
「やなこった。わざわざ出向いてまで…」
「それもそっか」
火車は本気で言ってる様子はなく、どこか嬉しそうでもあった。そして、ふっと顔を出入り口の方へと向けた。むつもつられるようにして、そちらに顔を向けた。