2話
話の流れから晃がぽろっと言うと、むつはきょとんっとした顔をした。晃の言った言葉の意味が、分からないという感じだった。晃も父親もむつのそんな反応を見ながら、じっと黙っている。
「…え?えっ!?え、え…えーっ!?な、何…何で、何でそんな話に…え?えっ、えっ、えっ?」
言葉を処理するに、どこの分野に任せていいのか分からなくなり、思考が停止していたのか、むつは混乱しているように、えっ、えっ、と繰り返している。
「ま、待って待って」
「うん、むつも待ちなさい。とりあえず、深呼吸して落ち着きなさい」
晃に背中をさすられると、むつはこくこくと頷いて大きく息を吸い込んだ。そして、ゆっくり吐き出したがそれで落ち着くはずがない。脳内で、受付に出した見合いという言葉は処理不能と弾かれたが、ようやく窓口が見付かり目詰まりを起こしながらも、処理されていっている感じだった。
「お、お見合いって事よね?お見合いって、仲介する人が居てその相手の人と初めまして、ってしてご趣味はなんて話しながら食事とかして、じゃあ後は若いお2人でって相手の親御さんとか仲介役の人とか居なくなって、お庭歩きながらお話するやつ…?」
「ん?あ、うん…まぁ…それはテレビとかの影響を受けすぎてるんじゃないか?でも、まぁそんなやつだな」




