1話
「むぅちゃんの部屋に現れた物と宮前さんの部屋に現れた物が同じとして…狙いはやはり、むぅちゃんなんでしょうね。何か心当たりは?」
「ないない。だって、今年になってから、そんな危ない仕事なかったよ?」
「と、なると理由が分かりませんね」
「とりあえず、むつは1人にならない方がいいって事だな」
「…じゃあ事務所に泊まるよ」
「えぇっ!?」
「はぁっ!?」
祐斗と山上が、何でそうなると言いたげな顔をして驚いているし、京井も流石に驚きを隠せない様子でいる。
「事務所ならさ、うちの子たち居るし」
「いや、そうじゃなくて…」
「そうですよ。むぅちゃんそれなら、うちのホテルをお使い下さい」
「うーん…いいよ。事務所に泊まる。遥和さんの所だと他の宿泊客も居るわけだし、何かあった時に困るもん。事務所ならさ、暴れても大丈夫だし」
「お前…また事務所壊す気か‼」
「あたしは壊した事ないでしょ‼」
「そっ…だな…じゃねぇよ‼1人になるなって言ってんだろうが!!」
「だーかーらーっ‼倉庫にみんなが居るでしょ!?何言ってんのよ」
むつと山上が、ぎゃあぎゃあと言い合いをしているのを、祐斗は止める事も出来ずに、京井の隣に並んで眺めている事しか出来なかった。




