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7話
買い物袋を手に、ぶらぶらと気だるげに歩いていくと、むつと冬四郎は揃いもそろって、車に寄り掛かって腕を組んでいた。仕草やする事までそっくりなのは、むつがそれだけ兄の事を見てきたからなのだろう。それにしても、2人共険悪な雰囲気が漂っている。遠目にもそれに気付いた西原は、まだ戻るには早かったかもしれないと思っていた。
「…遅い。どこまで行ってたんだ」
「えっ!?」
戻るには早すぎたのかと思っていたが、逆に遅いと怒られた西原は、気を遣ったはずなのに、すみませんと謝った。
「…ほら、むつ。色々買ってきたから」
「ん、ありがと」
「2人共乗れ。寒いからな」




