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7話
少しだけ車を飛ばして戻ってきたむつは、颯介と山上からの小言を大人しく頂戴していた。勝手に動いているのだから、言われた事くらいはちゃんとしなくてはいけない。それが出来ていない自分が悪いからと、言い訳も何もせずにひたすらに謝っていた。
「…ったく、何だ?今日は殊勝にも言い訳しねぇじゃねぇか」
「悪い事したなって思うから…」
「良い事だね。むっちゃん、食事はしたかい?」
「ううん…」
そう言えば、昨日の夜から何も食べていない事を思い出したむつは、いつまで経っても空腹を訴えない腹をくるくると撫でた。
「調子悪いのか?」
「全然そんな事ないけど…お腹空かない」




