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よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
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6話

県警本部の建物の近くで、ゆっくりと車を止めたむつは酒井の方を向いた。


「…酒井さん、今日は突然でしたのにお付き合い頂いて、ありがとうございます。全てではないにしても、手の内を少しでも見せて頂けたような気がします」


「手厳しいですね。それに、用心深いのか、そうでもないのかよく分からない…もしも夜、あの場所に行くなら連絡くださいませんか?むつさんを1人で行かせるわけにはいきませんから」


「お約束は出来ません」


「…なぜですか?」


「酒井さんが玉奥の父の事を知っていて、能力の事もご存知だとしても…一般の方を巻き込むわけにはいきませんよ。危険です」


「ですが、私がいないと場所もはっきりとは分からないはずです。今は何が起きるか分かりません…皆さんが心配されるのは、それもあるからだと思います。1人では動かない方が賢明です」


「そうかもしれませんが…」


「私と2人では不安でしょうから、他の方を連れてきたらいい。とにかく、あの場所は怨霊のいただい所です、1人では近付かないでください。いいですね?」

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