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1話
「…おいで、そこじゃ冷えるだろ?」
冬四郎に支えられるようにして、むつはソファーに移動すると、疲れきったようにクッションに身を任せた。ぐったりとして顔色もよくないむつを見ながら、冬四郎はすぐにキッチンに入っていった。そして、ごそごそと何やらやってマグカップを2つと、灰皿も持って戻ってきた。
「飲めるか?」
「…うん、ありがと」
ようやく落ち着いてきたのか、むつはしっかりと返事をしてマグカップを受け取った。少し口をつけて、むつは少し驚いたような顔をした。
「甘い物の方がいいだろ?甘すぎたか?」
むつの手からマグカップを取った冬四郎は、一口すすると甘いなと呟いてテーブルに置いた。そして、口直しと言わんばかりに、自分の分のブラックコーヒーを飲んだ。




