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よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
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4話

むつはその足にすがるようにして、側にぺたりと座り込んだ。むつと同じく冷え症の母親は、冬場はかならずもこもことした毛糸の靴下をはいている。今、見えているそれは、むつの物で薄いピンク色のもこもことした物だった。


もこもことした靴下を触り、ゆっくり手を上げていくと腰、腹、胸、首、顔とある。うつ伏せの状態で、腕を投げ出すようにして倒れている母親の近くには、携帯も落ちていた。


むつは四つん這いの状態で、母親を仰向けにさせた。力が抜けきっている大人は、女性といえど重たい。だが、何とか仰向けにさせると、すぐに口元に耳を当てた。呼吸はしっかりしているし、胸に耳を押し付けてみれば心臓の鼓動も聞こえてくる。


「お母さん、お母さんってば…」


眠っている母親を起こす子供のように、むつは母親の肩を掴んでゆすってみた。


「むつ、下手に動かすな」


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