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4話
「…うちの子、何か反応した?」
むつは手のひらに乗せられた、人形の頭部分を指先て撫でている。だからといって、人形は起き上がったりはしない。
「いや、分かんない。特に何にも気付かなかった」
「そっか…うちの子は何のタイミングで動いてくれるのかしら?最近は、夜大丈夫そう?」
「あぁ、むつの人形が来てからはよく寝れる」
「なら、良かった。ここで外に出しても反応しないって事は実戦の時にしか動かないのかしら」
「実戦好きなのはお前と同じだな」
ぴくりともしない人形にむつは未練があるようだが、反応がない以上は持っていても仕方ない。
「君には先輩を任せたもんね。これからも、よろしくお願いしますよ」
足の部分を持って、ぴんっとさせるとちゅっと軽く唇を押しあてたむつはそれを西原に返した。




