4話
「俺的にはな。昨日の話、ちらっと聞いたけど…連絡しなくていいんじゃないか?何か、信用出来なさそうな気がするからな。連絡先知られて…何かあるとは思えないけど…警官も人間だからな。間違いはおかすし」
「…酒井さんが何かしてくる人になりそうって事?でも、そしたらお兄ちゃんの出番だよ。捕まえちゃえばいいんだし、検挙率?上がるよ」
「そんなもんは、どうでもいいんだ。そうじゃなくて…まぁ…むつの好きにしたらいいけどな」
「あのね…あたしが気になるのは、両親の事もだけど、能力の事も何で知ってたのか気になる。お父さんはその辺は何も言ってないって言ってたもん…それに、よくないのが近くに居るって…それってね、この前の不審者の事かなって…だとしたら…それが分かるなら、酒井さん…あたしと近い人なのかなって」
「何かしらの能力がって事か?」
「うん…」
言いながらも、あまり自信はないのかむつは何となく不安そうな顔をしている。酒井という人物の得体の知れなさが、余計にそうさせているのだろう。
「その可能性っていうのは、むつにしか分からないからな…感覚みたいなものだろうし。気になるなら、確かめてもいいんじゃないか?でも、会うってなるなら1人では行くなよ」
「…一緒に来てくれる?」
「俺の仕事の都合に合わせてくれるならな」
「合わせるから…一緒に来てね」
「分かった。とりあえず、今日はうちに寄らないとな。仕事終わったら連絡するし、寄越せよ」
酒井に会うのであれば冬四郎も一緒となり安心感が出てきたのか、むつは嬉しそうな顔で、しっかりと頷いた。




