201/1084
4話
「…寒気がするな」
「うん…ま、本当に寒いし。早く帰ろう?」
「あぁ…でもいいのか?何か相談とかあったんじゃないのか?」
「今日はいいかな…また今度…」
「そうか?何か言いにくい事みたいだし…俺じゃなくても、あ…女の子同士のがこういうのは言いやすいかもな」
「菜々かこさめだね。何か、篠田さんの事知ってるみたいだったよ」
「篠田さんは顔が広いからな。さ、帰るぞ?明日も仕事だし、俺は腹減ってきた」
「はーいっ」
むつは体当たりするように冬四郎にくっつくと、腕を回してぴったりとくっついた。冬四郎は、そんなむつをちらっと見たが、何も言わずにゆっくりとした足取りで歩き出した。




