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4話
「…たぶん、ね。でも意外と嫌じゃなかったかも…一緒に食事してて」
「そうか…なら、このまんま話進める感じになるんだろうな…」
「結婚まで?それはない、有り得ない」
「何で?いい相手だったんだろ?人柄も良くって肩書きも良くってって…旦那さんにはぴったりじゃないのか?」
「かなぁ…?」
「何だよ、それでも不満か?」
「そうじゃないって…でも、うん…先輩がそう言うなら話進めてもいいかなって気がしてくるね」
むつは首を傾げながら、少し笑みを浮かべた。西原はそんなむつを見ながら、自分が余計な事を言ったのではないかと、今更になって気付いた。これでは、むつに結婚を進めているようにしか聞こえないだろう。
「…そっか。むつがその気なら応援する…応援っても、出来る事ないけどな。相手の反応はどうだったんだ?」
「どうって…また誘ってもいいですかって言われたから…そんなに悪い印象じゃなかったのかな?とりあえず…失礼な事はなかったと思う。たぶん」
「ふぅん…向こうはまんざらでもないのか」




