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4話
単調な電車の揺れに身を任せているうちに、眠くなってきたのかむつは大欠伸を繰り返していた。冬四郎は何やら山上と京井、晃と話に行っていて、むつはつまらなさそうにしていた。
「…むつ?」
「なぁに?」
冬四郎が離れたから近寄りやすくなったのか、すすっと西原が側にやってきた。祐斗は颯介と共に、ぼんやりとつり革に掴まっている。
「お見合い相手さ…むつ的には有りだったのか?立場は警視正だし、宮前さんの話だと人柄もいいみたいだし」
「どうかな…いつかは分からないけど、また会うと思う。会うっていうか…会いに行くかな」
「…お前が?」
「そう…あたしから」
「そんなに、いい人なのか?」
西原の真剣な目に、むつは首を傾げた。どう見たら、どう感じたらいい人というやつになるのか分からない。だが、悪い人ではなさそうまから、いい人なのだろう。