表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
189/1084

4話

「…帰ろ?」


むつは甘えるように、冬四郎を見上げた。そんな素直すぎるむつに、冬四郎は少し驚いているようではあったが、笑みを浮かべていた。そんな仲睦まじい2人に、晃と西原が羨ましそうに見ていた。特に西原は、それだけではないような目で、むつを見ている。冬四郎はそれに気付くと、少し気まずそうにむつから顔を背けた。そして、むつは冬四郎に顔を背けられて悲しそうにしていた。


「むつ、明日仕事だからな。来たら報告しろよ、今日の事を。晃には言わないから」


「…やだ。だって、この6人はストーカーだもん。ストーカーはそんなにいっぱいいらない」


眠たそうに、間延びしたような話し方をしているむつだったが、テーブルに出してある冬四郎のタバコを手に取ると、火をつけてゆっくり吸い始めた。


「お母さん、ご飯作って待ってるんだって。お兄ちゃんとお腹空いてる?」


「いや…そこまでだな。ってか、俺は今日もお前の部屋に帰るのか」


「強制的にそうだと思う」


「…そろそろ家帰りたいな」


「しばらくは、あたしの部屋を家だと思って…これも親孝行だよ」


ふーっとけむりを吐き出したむつは、もういらなくなったのか、冬四郎に吸いかけのタバコを押し付けた。冬四郎は一口二口と吸って、灰皿に押し付けて火を消した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ