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3話
「えっ!?いえ、面白くは…その…でも、男前だなって思って…えっと…なぁ祐斗君」
「えぇっ!!」
咄嗟に思い付いたのがそれだったのか、誉めるような事を口にした西原が同意を求めるように祐斗に話をふった。祐斗は、まさか話が振られるとは思いもせず、わたわたとしながら首を縦に振った。そんな慌ただしい動きを冬四郎が目を細めて、笑みを浮かべながら見ているが、その目は一切笑っていない。それに気付いた祐斗は、ぴたっと動きを止めるとうなだれた。
「いつから、つけてきてたんだ?」
「………」
「西原?いつからだ?」
「はっ…その、朝からです。宮前さんがむつのマンションから出て署に向かう所も見てました」
「それで?」
「むつは昼前に母親らしき女性と買い物は行き、ランチをして帰宅し、17時半頃に家を出て走って駅に向かうと電車に乗り込み、最寄り駅でナンパされて困った風に電話をしてまして…それで宮前さんと合流してホテルに」
「お前はストーカーか?むつが西原君にストーカーされてたなんて知ったら、二度と口きかなくなるだろうな」
「…申し訳ありません」