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よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
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1話

山上を引っ張り回して、あちこちと見て回ったむつは、買い物袋を持ってようやく帰宅した。仕事を早く終わらせたはずだったが、帰ってくるとすでに真っ暗になっていた。とは言っても、いつもよりは帰ってくるのも早い。むつは、テーブルに荷物を置くと早速開け始めた。


結局は洋服も買い、うきうきと楽しそうに値札を切って丁寧に畳んでいく。色々あったからか、袋もだいぶ処分してしまっていたから丁度良かった。


小物類も開けて1つ1つを確認していたむつだったが、ふっと眉間にシワを寄せると手を止めた。そして、きょろきょろと辺りを見回した。マンションの部屋には自分1人だけのはずなのに、誰かが居るような気がしたのだ。


ここ最近、あまり眠れていないから変に過敏になっているだけかもしれない、とむつは考えると気分転換にか、テレビをつけた。夕方のアニメにチャンネルを合わせて、特に観るでもなく買ってきた物の片付けに専念していた。

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