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３話

冬四郎は見慣れた２人の顔をじっと見て、何かしら考えこんだ結果、ふぅと溜め息を漏らした。

「…まぁいいか。どうせ２人だけって事ないだろ？どこに居る？言う気ないなら…俺が時間潰す相手になって貰うかな。その辺に喫茶店あったな、行くぞ」

深く何かを聞くでもなく、冬四郎がさっさと歩き出しても２人は、なかなか動こうとはしない。立ち止まった冬四郎は、深々と溜め息を漏らした。

「西原、谷代来い」

普段、人を呼び捨てになどしない冬四郎が低い声で命令するように言うと、仕事柄なのか、西原はすぐに固く緊張したような声で返事をして、祐斗の腕を掴むと冬四郎の後を追ってついていった。

悪い事をしたでもないのに、神妙な顔つきの２人が後ろから、とぼとぼとついて来る事に、冬四郎は密かに笑みを浮かべていたが、その笑いは２人には一切気付かれる事がなかった。