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3話
帰宅したむつは、早速着替えさせられた。そして、髪型をどうするかと悩む母親をほっといて、 服を脱ぐと寝室に入っていった。
休みの日でも、いつも通りに起きるのはよくある事でも、午前中から動く事が少ないむつは、少し疲れたのかぼすっとベッドに横になった。
とりあえず、冬四郎と父親には見合いに行く事を連絡しなくてはと、放置気味だった携帯を手に取った。そして、自分の意思で行くとは決めてない気がすると思いつつ、行く事にしたという連絡だけはしておいた。ついでだからと、来ているメッセージなんかにも目を通した。
一昨日からほとんど携帯を見ていなかったからか、意外と連絡が来ていた。だが、仕事に関係したものは1件もない。来ているのは、ごめに連絡を取り合っている幼馴染みの菜々とこさめ、それから西原という、いつもと変わらない面々だった。
返事を返したむつは、携帯を枕元に置くと目を閉じた。母親が使っているからか、自分の匂いはすっかり消えているようだが、安心出来る匂いがしていて、満腹なのも後押しとなってか、あっという間に眠りについていた。