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2話
「それで…むつ、どうする?」
「…それより、いつなの?勝手に日にちも決めちゃってたんでしょ?あたしの休みとかも知らないくせに」
ちょっぴりの嫌味のつもりで言ったが、父親は何とも思ってないようだった。
「明日だ」
「あ、そうなんだ。明日…明日っ!?」
「むつは休みだろう?晃から聞いてるぞ」
いつが休みかなんて、晃に聞かれてもいないし教えてもいないむつは驚いていた。本当に驚いたむつは、ただ瞬きを繰り返すばかりで何も言えずに居た。
「…違うのか?」
「え、ううん、そうだけど…何で知ってるんだろ?教えてないよ?聞かれてないから」
「そうなのか?お父さんはてっきり、晃がむつに聞いたものばかりだと思ってたんだが…」
むつはしきりに首を傾げて、なぜ晃が知っているのかと考えたが、答えは出てこない。
「まぁ…いっか。で、何時に?」
「19時に。場所は…」
初めからこの話をするつもりだったのか、父親はポケットから折り畳んだ印刷用紙を取り出して、むつに見せた。そこには地図が乗っている。