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よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
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15話

むつは慣れた様子で、着信履歴などを見ていくと、見知った名前を見つけてさっそく、電話をかけているようだった。


「こんな時間に…むつ‼」


「いいの‼ちょっとだけ…」


携帯を取り上げられそうになったむつは、缶ビールを片手にさっと逃げた。冬四郎は追い掛けるつもりもなく、溜め息をついていた。誰にかけているのかは、履歴を見れば分かる。そうしなくても、こんな時間にかけようとする相手は何となく想像がつく。


「出ない…出ないよっ‼」


「当たり前だ…何時だと思ってるんだ」


「…4時にじゅう…よじっ!?」


「…ばか」



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