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よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
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14話

手のひらに乗っていたチャームも木箱も、跡形もなく消えると炎も消えていった。むつは後にほんの少し残った灰に、ふっと息を吹き掛けて飛ばしてしまうと、はぁと息をついた。


「…終わり」


誰に言うでもなくむつは呟いた。手のひらには何もないが、確かにあった物を見るように、むつは自分の手を見ていた。そうしていると、自分の視界がゆらゆらと揺れてきた事に気付いた。まるで、水の中で目を開けている時のようだった。


くっと唇を噛んだむつはどうする事も出来ず、空を仰いだりうつ向いたりした。だが、目に溜まってきている水分が減る事はない。


ぽたっと目元から涙が落ちると、むつはさらに唇をきつく噛んだ。そして、八つ当たりするかのように握りしめた手で、ばしっと地面を叩いた。もう1度地面を叩いたむつは、身体を起こす事なくそのままの体勢で、はぁと息をついた。

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