表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋 -むかしのこと-  作者: 幹藤 あさ
1021/1084

14話

「…酒井を頼む」


目をきゅっと吊り上げた火車は、冬四郎に酒井を押し付けた。妹の見合い相手で上司であり嫌な相手ではあるが、この状況で嫌だとは冬四郎も言えない。


「何、するつもりだ?むつに…何を…」


「何か出来る程、僕にも余裕はない。むつを力で押さえるのは犬神でも無理だな」


「…えぇ、無理でしょうね。あそこまでの力があるとなると、力付くで押さえるには私と火車でも足りないと思います」


「だろうな…」


「なのに、お前が行くのか?」


「…酒井が死ぬのは困るんだ。昔からの付き合いでな。酒井くらいだ、友人って呼べるのは」


「なら、私はむぅちゃんに頼まれはしましたけど、ここは大人しく引き下がります」


「そうしてくれ。ダメだったら頼む」


「ま、待て、それなら俺が…」


「人間は近寄らない方がいい。あの怨霊…むつの炎の中でも、まだ消えはしないんだ。お前が餌食になれば、むつはそれこそ止まらなくなる」


火車はそう言うと、酒井の顔をちらっと見た。そして、むつの元へと向かっていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ