骨踊り
す、スペシャルサバイバルゲーム?なんだそりゃ?
『えーっと……僕はまあ、所謂神なんだけれども。』
自分で言うのか……
『神っていうのは無限にエネルギーを生み出す装置みたいなもんでさ、そのエネルギーを消費しないと暴発してとんでもない事になりかねないんだよね。』
『だからさ、こうして定期的に君たちに能力を与えて異能飛び交うスペシャルなサバイバルバトルゲームを開催してエネルギーを消費してるんだ。』
『あ、ちなみに一位になった人間はなんでも願いを叶えてあげるからね。そんじゃあ、ハイ、スタート!』
え、えぇ……
唐突っていうか……軽いっていうか……
つか、バトルって……俺バトルに使えそうな能力なんて知る限り無いぞ。
前より体がよく動くというか、軽いような気がするが身体能力強化とかか?
いやそんじゃこの体はどう説明するんだって話だしな……
骨をポーンと射出できたりしないかなー
そう思って壁に手を向けた瞬間白くて細長い何かがそこから飛び出た
俺は嘘だろ?と思いながら壁に近づくと、そこには大腿骨が綺麗に廃墟の壁に突き刺さっていた。
マジですか、マジなんですか。これで戦えと。
それから数日実験をしていたが骨は大体百ほど出せ、更には空中に浮かせられることが判明した。
骨を大量に出すとかなり疲れるので基本は数十本で戦う感じか?
浮かせるのはそこまで疲れる感じはしなかった。
ただやはりと言うべきか長く出すと気絶してしまったのだがな。
大体一時間が目安だろうか?まあそのくらいもあれば十分だろう。
洒落でこの能力を骨踊り《ぼんおどり》とか名付けてみようかな。
我ながらうまいと思ったり思わなかったり。
……ん?今なにか物音がしなかったか?
まさか早速敵とか?そういうのは今の所避けたいんだけども……
「よ!ホネ!」
「こ、こんにちわ〜……」
なんだ……カツとタツか……
この二人は先日会ってからちょくちょく遊びに来ている。二人共ホネホネと一応慕ってくれている……と思うので癒しになってたりする。
正直何が楽しくて来てるのかわからないが…まぁ、新しい友達ができたみたいな感覚なんだろう。
ちなみに元気な方がカツで控えめな方がタツだ。
子供とはいいものだ。俺も昔に戻りたいな。
……いや、俺の場合昔に戻ってもいいことなんてないか。
「んで?二人共、なんかやって遊ぶか?」
「おう!んじゃあっちでデッケーカブトみっけたから取りに行こうぜ!」
「またそれか……ま、いいか。」
素っ頓狂な展開が起こったものの、割と楽しげな日常だ。