異種族交流の酒場で
「__俺は、ソイツの彼氏だ。」
『……はぁっ!?』
俺の発言に、少女も男性も唖然としていた。
「ちょ、ちょっとお客様?」
「うるせぇ、俺に合わせてくれ。」
小声で呟いていたら男性はこっちを睨んでいた
「…なぁ嬢ちゃん。ソイツの言ってることはホントなのか?」
「え、えぇ。ホントですよ」
「なら、どこに惹かれたんだ?」
「えっと…強くて優しいところです」
男性は訝しげに俺を睨むと「そうかよ…」と呟き、棍棒を持って立ち上がった。
「なら、俺がコイツより強いことを見せればいいんだなっ!」
…下手すると山賊より馬鹿なんじゃないんだろうか。
「__うぉぉぉお!!」
「__っ!?」
間一髪で避けたのはいいが、俺がいた場所に大穴が空いていた。
「あっ、危ねぇ…」
「その娘を寄こせぇぇええ!!」
もう1度大きく振りかぶって襲って来た。
「甘いんだよ、おっさん。」
棍棒を避けて背後に回るとガラ空きな脇腹を全力で蹴っていく。
「ぐぁぁああ!!」
男性がうめき声を上げて倒れ伏したと同時に拍手が飛んできた
「なぁ、大丈夫かお嬢さ……ん?」
安全を確認する前に抱きつかれた。名前も知らない少女に抱きつかれてしまった。
「ありがとうございます…ありがとうございますっ」
相当怖かったのか抱きついたまま泣き出してしまった
「…泣かれると困るんだが」
とりあえず泣き止ませようと抱きついていると獣特有の尻尾が動いたのが見えていた__