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無性にプリキ◯アが歌いたくなった件について

「学園長!! 僕はこのような怪しい男を栄え在る我がオリブ学園の教師にすることには反対です!!」


そういって、突如この部屋に訪れた金髪の男はそう叫んだ。しかも、ビシィッ! という効果音を付けて俺を指差しながら。



……なんか、すっげぇめんどくさそうな奴が現れおったぜ……


隣でリューが殺意を込めた視線を男に向けるなか、何でこうなったのかを俺は一人思い出す。

事の始まりは数時間前。俺がマイナさんに切り出されたあの一言から始まった。







学園とは王国に三つ存在する優秀な子供たちを育てるための教育機関のことをいう。

入学するには試験で誰よりも良い点を取らなければならない。まさに弱肉強食だなそりゃ。日本も変わらんけど。

ただし、貴族の者は試験に関係なく入学が許されており、試験は単なる順位付けのために行われているらしい。

毎年、平民枠として150名の平民の子供が入学ができるそうで、希望者はいつも定員をオーバーするほどの人気。まあ、入って卒業すれば、平民であってもかなり位の高い職につける可能性もあるためそれは当然と言えるだろう。

試験は座学と実技の二つの合計点。尚、座学は算学や薬学、国史などの合わさった総合問題。実技は魔法か近接戦闘かのどちらかを受ける。


基本、13~18までの少年少女が通う全六学年制。授業は算学、国史、薬学、錬金学、魔物生態学、礼節学、冒険学、近接戦闘学、魔法学、総合戦闘学の十科目。生徒はこの中から最低でも三つを受けなければならないとのこと。選択制なのはビックリした。


あと、この学園。運営はE、O、Bの三家が王から任されているらしく、更にその資金は国から出ていたり、他の貴族の援助によりものだという。将来的に優秀な人材が増えることは見返りが大きいという判断らしく、その結果、入学費や学費が全員免除されている。そりゃ定員オーバーで平民が集まるわけだ。









「で、マイナさんがその学園の現学園長、と……」


「ええ。改めて自己紹介させてもらうわね。オリブ学園学園長、マイナ・O・ルデリアよ」


「改めまして、オキナ・ウェルディです。こっちは妹のリュー・ウェルディ」


「リューじゃ。よろしく頼む」


本来なら、俺はトルネの街で馬車から降りるはずだったのだが、最後のマイナさんの発言により、トルネの先にあるオリブ学園といえ所に向かうことになったのだった。

いきなりそんなこと言われても困るだろうから、学園について教えてあげるわね、ということでだいたい三十分ほどの時間を要して、大まかな説明をしてくれた。


「それで、何故俺に教師を?」


「そもそも、私が出掛けてたのは、他の学園に教師を一人今年一杯まで貸してほしいって頼みに行ったからなのよ」


何でも最高学年である6学年の薬学の教師が一人亡くなられてしまったとのこと。補充でまた募集するにもその時間や面接などで採用するのにかなり時間がかかってしまう。そのため他の学園にかけあったのだが……


「見事に断られちゃったのよねぇ。まあダメ元だったのだけれど」


「助けてはくれなかったんですか?」


「そりゃそうよ。商売敵ですもの」


そうなのか? 国に三つしかないのなら、競い合う必要性を感じないのだが……


「平民の子供達はともかく、私達貴族っていうのは見栄を大事にするのよ。下手に手を貸して、自分達より評価を上げられたらたまったものではないの」


「はぁ、そこらへんはよくわかりませんけど……」


「そういうのには疎そうだものね、あなた」


クスクスとまるで少女のように体を揺らして笑うマイナさん。


「教師の人達の伝とかはなかったんですか?」


「合ったわよ。ただ、ねえ。あまり大きな声で言えないのだけれど、どうにも胡散臭いのよ。あんまり良い噂も聞いてないし」


ため息をついて、困ったものだわ、と嘆くマイナさん。だが、そんな様子も束の間、俺の方に視線を向けると、またにっこりと笑うのだった。


「だから、ウェルディさんと会えたのは本当に幸運。薬学の知識があって、誰の息もかかっていなさそうなあなたにね」


「……なんか、俺に対する信用高くないですか? もしかしたら、誰かが後ろにいるかもですし……第一、自分でいうのもなんですが得体の知れない奴ですよ?」


なんか、これだけ信用してもらっていると、嬉しい反面、怖いと感じてしまう。

なんか裏があるんじゃないかも思ってしまうのは仕方のないことだろう。


「ふふ、そう警戒しなくてもいいわよ。それに、言ったでしょ? 人を見る目には自信があるの」


そういうものなのでしょうか?


そう口にしようとしたのだが、御者さんの「ルデリア様、到着しました」との一言に遮られてしまった。


マイナさんが行きましょうといって馬車を降りていくのを慌てて追いかける。


「お、おぉ……すっげぇ……」


「ふふふ、驚かれましたか?」


そこにあったのは巨大な壁。どうやら、学園はこの中にあるようで、マイナさんは何のためらいもなく出入り口へと向かっていく。


「なるほど、円なのか……」


壁はぐるっと学園を囲むようにして作られているようだ。空から見てみないとよくわからないのだが、多分校舎とかもこれに合わせて作られているのだろう。


マイナさんが門番の人達に俺のことを伝えている間、俺は何気なく門の外から中の様子を見ていた。

時おり制服らしきものを着た少年少女達が伺える。ちなみに、制服はブレザー。上が青で下がグレーのズボンとグレーのチェックのスカートとかだ。

……制服のレベルが高いことについてはツッコまない方がいいだろう。多分



「さて、ウェルディさん、行きましょう」


「あ、はい。了解です」


どうやら、門番さんへの説明が終わったらしい。

門を通る際に軽く門番さんへ一礼してから中へと入る。礼儀は大事にだ。


「……中もすげぇなこりゃ」


「先程から驚きすぎではないか?」


隣を歩くリューが呆れた目で俺のことを見上げていた。

そういや、学園の方に気を取られ過ぎて、こいつのこと忘れてた。

今日何度目かわからない視線を乾いた笑いで誤魔化してマイナさんのあとに続く。


こうして中から学園を見てみたが、かなり規模がでかい。

時代的に中世ヨーロッパくらいの文化だと思っていたが、制服やら建造物やらを見るに、そうでもないようだ。

これも魔法とかのファンタジーだからという説明でいいのか?


「マイナさん、ここは……」


「外壁から入ってすぐのところは生徒と教師の生活区域なの。生徒は皆寮に入るのが決まりになっているわ」


ほら、これが生徒の寮よ、とマイナさんが指を指したのはかなり大きい建造物。それも二つだ。


「学年ごとに寮が別れててね。そこからまた男女で分けてるわ」


「確か学年毎に150は越えるんですよね。そこにプラスで貴族の子供も入る、と」


そりゃこんなけでかくなるわな。しかも、これと同じのがあと五つ。


「それで、俺達は何処に向かってるんですか?」


「私の執務室よ。学園長室ともいうわ。ただ、そこまでいくのに、まだ歩かないといけないのだけれど……大丈夫? リューちゃん」


「妾のことなら大丈夫じゃよ」


リューのその言葉にマイナさんは、そう、と頷いた。


そこから、俺達はあと二つ壁を潜ることになった。

どうやら、寮、校舎、そして図書館や訓練場なんかの施設を壁で区切っているようだ。

学園長室は一番中心、つまり図書館なんかと同じ区域にあるらしい。まあステイタスのせいか、前のままならバテていたであろう距離を息切れせずに歩けたのだが。


改めて思う。ここ、広すぎる


「さ、入って」


マイナさんに案内されたのはこの学園の中心に建てられた塔のような建物だった。どうやら、これの最上階が学園長室らしい。

ちなみに余談ではあるが、それ以下の階層は生活スペースだったり、研究施設だったりするんだと。


「どうも、お邪魔します」


「するのじゃ」


この最上階まで階段かなぁ、と思っていたのだが、まさかエレベーター擬きが在るとは思わなかった。聞いた話、なにやら『マール石』とかいうものを利用して作られているそうだが……

うむ、ようわからん。全部ファンタジーだからってのでいいんじゃね?


そこに座ってね、と促され、備え付けてあったソファーに身を預ける。かなり柔らかいが、素材はなんなのだろうか。


「どうぞ」


「あ、すいません。わざわざ……」


「いいのよ。それじゃ、早速だけど本題に入っていいかしら?」


ソファーにもたれさせていた背を起こし、出された紅茶に口をつける。


「ええ。確か、俺をここの教師として雇う、という話でしたよね? それも薬学の」


「ええそうよ。どうかしら?」


「……俺としては願ったり叶ったりの話です。戦闘とかはしなくてもいいんですよね?」


「大丈夫よ。そもそも、そういうのは実技の先生達の仕事。座学担当のあなたはあまり気にしなくてもいいわ。……もっとも、何かあったときは動いてもらわないといけないけど」


何かとは何か、とは聞かない。

リューに聞いた話だと、実はこのディザスタ王国は魔境を挟んだ南のスレグス帝国なるところと仲が悪いそうだ。

そのため、戦争なんか起きたときに、学園が攻撃対象になる可能性も否定できない。

その場合、教師は生徒の安全を最優先。場合によっては戦闘もありうる、と。


「まあ、今まででそんなことはなかったけど」


「でも、教師やるんだったら、生徒第一ってのは分かりますよ。それに、俺も防衛に関してなら大丈夫ですし」


攻める気はないが、降りかかった火の粉は払う。その方針には変わりない、国同士のいざこざで職を失うとかまじで勘弁。


「あとは給料とかについてなんだけれど、その事について一ついあかしら?」


「? 構いませんよ」


「新しく教師になる人と正式な契約ができるのは入学テストのある春だけなの。今回のことは急なことだったけど、それは変わりないわ。だから、今みたいな時期に契約はできないの」


「それじゃ、どうするんですか?」


「正式には無理だけど、今年一杯まで、あなたを臨時教師として雇うわ。これで何も問題を起こさずに勤められたなら、また来年正式に契約わ結ぶつもりだけれど……どう?」


つまり、お試し期間であると同時に、俺がちゃんと仕事できるかのテストみたいなものか。


「正式に契約した場合との違いはありますか?」


「あるわよ。まず、正式に契約していないから、あなたは教員塔、所謂この学園の教師の寮には入れないわ。だから、あなたにはトルネの街で宿をとってもらうことになるの。あとは、仮の証明書しか渡せない。……こらくらいかしら」


「なら、問題はないですよ」


「本当に? なら、よかったわ。給料は……そうね、月で大銀貨一枚でどう? 正式に契約したら、もう一枚足すわ」


……貨幣の価値が分からない。

なるほど、こちらでは金は金貨とか銀貨とかなのだろう。しまったな、先にリューに聞いておけばよかった。


「(なぁ、大銀貨一枚ってどれくらいだ?)」


マイナさんにバレないようにソッとリューに助けを求める。


「(こっちじゃと、平民四人家族が一ヶ月生活するのに銀貨二枚で十分だそうじゃ)」


「(大銀貨一枚って銀貨でいうと?)」


「(十枚じゃ)」


「マイナさんに、是非受けさせてもらいます」


「……ちょろいのぉ……」



否定はしない


かなりの高級取りで正直驚きを隠せないでいる。だが、マイナさんによると、この学園、貴族出身の教師も多いようだ。

よく金が回るのなそれで


「それじゃ、早速だけど、臨時教師としてのウェルディさんと契約を……」


「お待ちください!!」


マイナさんが何か契約書的な紙を取り出したその時、いきなり俺達が入ってきた扉が開いた。

現れたのは金髪碧眼の一人の男。なんだか、とてつもない小物臭が感じられます。


「その契約、この僕は反対です!!」


そして冒頭に至る、と。



どうも、ニシュラ和尚です。


さて、今回の話で漸く学園に到着でございます。

ただ、予想外だったのは、冒頭に繋げるまでがかなり長かったことですね。ニシュラも驚いております。


で、サブタイトルみたかた。決してふざけてるわけではないですよ?


実は、ニシュラには下に妹がいまして、小学生のころはスーパーヒーロータイムのついでに妹と見ていまして。


初代から次のマックスハート、スプラッシュ、と続き、最後はファイブゴーゴーまでは見ていましたね。

意外とはまっていたということに今は驚きですが、なんとなーくOP、EDは覚えてるんですよね。

特に、ファイブ。あれは友達とカラオケ行った時に歌ったりしましたよ。盛り上げるために。


まあノリノリで歌ってましたけど。テンポいいから歌いやすいんですよね。1、2、34(yes!)プリキ◯ア、ファイブ!! ってね


マックスハートも覚えてたりするから、この手の記憶力にはニシュラもビックリです。

なんでか、アニメとかに関する記憶力はすごいんですよね。友達にも驚かれました。

……何度、勉強に生かせれば考えたかとか!!


ま、そんなわけで、ストレス発散もかねて歌います。

目の前に友達いますしね。

フハハハハ!! 我が美声、聞かせてやろうぞ!!



それでは皆様、また次回

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