化◯物語の新刊キタキタキタァァァァァァ!!!(友人談)
なんか、こっちに来てからもう数日は経ったんじゃないかと錯覚するくらい濃い一日を送ったな、と目を覚ましたベッドの上でボケ~としながら考える。
うん、マジで。やっと二日目なのか。
いつの間にか隣のベッドから抜け出して、こちらに潜り込んでいたリューはまだお眠なご様子。しかし、一言言いたい。俺の体に顔を埋めるのはいいのだが、角の先端が刺さっていると。
知覚した途端、痛みで眠気も吹っ飛んだね!
だが、ここで声を出すのはいかん。せっかく、リューが気持ちよさげに眠っているのだ。主である俺が安眠妨害などもっての他だ。
あと、普段の様子とのギャップがすごいので可愛いです。
「……ん、~…………あるじぃ…………」
狙ってやってるんでしょうか?
ムフフフ、と寝言を言いながら俺の体にグリグリと顔を押し付けてくるリュー。
痛いけど可愛いです。
今なら、Yes! ロリータNO! タッチ! な方々とも分かりあえるような気がする。
尚、俺はロリコンではない……と思いたいものだ。
「ほら、リュー。そろそろ起きるぞ」
「ムニャ…………たべたいのじゃ……」
肩を揺するが、一向に目覚める様子はない。
仕方なしに柔らかい頬をプニプニと指で突っつく。
はてさて、いったい何が食べたいのやら
「…………あるじをぉ……」
「え、俺なの!?」
続く言葉がまさかの一言。夢の中の俺はいったいどんな目にあっているのかと少し想像してしまう。
……うん、夢だからいよね! 合掌!
「ほ、ほら、朝食いくぞ、リュー」
「ん…………おお、主よ。おはようなのじゃ」
「おう。もうすぐ朝食だから、身嗜みくらい整えろよ」
「うむ、了解したのじゃ。しかし、主を見ると、やけにお腹がすくのぉ……」
不思議そうな顔で俺を覗き込むリューは、はて? と首を傾げた。
できれば、真実は闇に葬り去っていただきたい。
◆
◆
「おう! お前らも起きたか」
「おっさん、おはよう」
「おはようなのじゃ」
準備を整えて下に降りると、厨房でおっさんがスープと思われるものを火にかけていた。
「早いんだな」
「まあな。なんせ、久々の客だ。ちょっとばかり張り切っちまったぜ」
持っていくから座っとけよ、とおっさんに促されて、リューと共にカウンターテーブルに座った。
「っと、こんくらいだな」
少したつと、おっさんが火を止めた。
木製の器を二つ用意してスープを入れると、そばにあった少し大きめの籠に幾つかパンを入れてこちらに持って来る。
「ほらよ。簡単なもんだが、食ってくれ」
「おう、ありがとなおっさん。んじゃ、いただきます」
「いただきますなのじゃ」
「? その『いただきます』ってのはなんだ?」
手を合わしてから食べ始めた俺たちを不思議そうな目で見るおっさん。なるほど、こっちにはこの文化はないのか
「あー、簡単に言えば、食事になった命と、作ってくれた人に感謝をって意味だな」
「ちなみに、食べ終わったら『ごちそうさま』じゃぞ」
「ほお! そりゃいいな。うちのルールにでもしてみるか!」
「客が来たらな」
「違いねぇ!」
どこかからか出してきた木札に内容を書き込んでいくおっさん。食堂の壁にでもかけておくつもりなのだろう。
そんなおっさんは無視して、早速食事にはいる。
スープは数種類の野菜が入った野菜スープ。聞けば、この宿の裏手で、小規模ではあるが家庭菜園を行っているらしい。野菜は、そこから採れたものを使用しているのだとか。
ただ、パンはやっぱり固かった。
魔法というものにより、所々で現代日本のようなものが見受けられたため、少しばかり期待したのだが…………
「まあ、スープはうまいから文句はないか」
これはこれで歯応えがあると考えればいいのかもしれない。そう、ポジティブにいこう。
固いために少し千切りにくかったが、スープに浸せば、味の染みた美味しいものになる。
リューも小さい口を一生懸命動かして食事を進めていき、だいたい同時に食事が終わった。
「「ごちそうさま」なのじゃ」
「おう、腹は膨れたか?」
「ああ。スープ、うまかったぜ」
ありがとうな、と厨房のおっさんにお礼をいうとまた俺たちは部屋へと戻った。
◆
◆
「さて、んじゃ始めるかな」
ローブを脱いで、タンクトップ姿になった俺は、部屋の床に直に座り込むと、早速準備に取りかかる。
アイテムボックスを開いて取り出したのは、メディル草の葉、アルマチ草の根、そしてケルフィア草の葉。そして、『ファンタジア・オンライン』の時も使用していた薬師専用アイテム、調合セットだ。
今から作るのは販売用のポーションだ。
ボックス内にはすでに限界数ポーションが入っているため、追加でいれることができない。そのため、作る数は十程。
ただ、昨日のハイポーション同様、俺の作ったポーションは既存のものよりも効果が高いため、この本数でも十分な金になるはずだ。
「じゃが主よ。それを作ったあとはどこに売るのじゃ?」
「商店か、ギルドのどっちかかな。ただなぁ……」
商店の場合は、当たり外れがある。
商店によって、適正価格も違うし、下手したらこちらの知識不足で騙される、なんてこともあるかもだ。リューのグー◯ルもそこまで詳しくないようだ。
それに、商人によっては、裏でかなり悪どいことをしているかもだ。
逆にギルドはそういうことがない……のかな?
あれ? なんか、考えたら不安になってきた。
「……まぁ、まずは作るか。話しはそれからだ」
「後回しはあまり感心せぬがの」
「はいはい。そらゃ悪ぅございますね。んじゃ、リューも手伝ってくれよ」
「仕方ないのじゃ」
部屋に入ってからずっとベッドでゴロゴロしていたリューがベッドから飛び降りて俺の隣に腰を下ろす。
まずは素材三つをリューに出してもらった水でよく洗い、メディル:アルマチ:ケルフィア=3:1:2で量を量る。さすが、薬師というべきか、機材がなくとも問題ない。
そして、この作業にはもう一人出てきてもらわなければならない。
ボックスか召喚本を取り出した俺は表紙を開いて魔力を流す。
「……こい」
パラパラパラッと勢いよくページが捲れていき、とあるページでピタリと止まる。
刻まれた紋が光を放ち、やがて一つの光球が飛び出すと、昨日と同じように魔法陣を形成する。
そして、出ていたのは三つの影
「あるじー!」
「あるじだー!」
「わー!」
元気一杯な様子で、現れた途端俺の頭の周りを飛び回るシスターズ。
羽のある赤と黄と緑の小さな女の子達はやがて俺の頭に飛び乗った。
「ララ、リリ、ルル。昨日ぶりだな」
「あいたかったー!」
「かったー!」
「たー!」
キャハハハ! と元気よく返事するシスターズ。ちなみに、シスターズというのは俺がかってにつけた呼び名だ。
姉妹……なのかはよくわかってない。
「相変わらず、元気じゃのお」
「あ、りゅー!」
「ずっこいりゅーだー!」
「どろぼうねこー!」
「待て、ルル。それはどこで覚えた!?」
なんか、ルルからすごい言葉が飛び出してきたんだけど!?
「それなんじゃがな、主よ。一応、妾達召喚獣は、ある程度主からの知識も受け継いでおるんじゃ。当然、妾達がまだ創作物であった頃の主の記憶も、じゃ」
まさかのカミングアウトである。
「……はぁ、もういいや。とりあえずはポーションだ。ララ」
「? あるじー?」
頭に乗っかっていたララがゴーグルにぶら下がってこちらの目を覗いてくる。
至近距離にララの顔が逆さまに見えております。
「今日はララに手伝ってほしいことがあるんだが、頼めるか?」
「うん! らら、がんばるー!」
キャッキャッと一人嬉しそうに喜ぶララ。そんなララの様子を見て、リリとルルも尋ねてくる。
「あるじー」
「るるたつはー?」
「ごめんな。今日はララだけなんだ。代わりにこれが終わったら一緒に出掛けようか」
「ほんとー!」
「わーい!」
その言葉とともに、リリとルルもはしゃぎ出す。
「よいのか? 主よ」
「まあ、大丈夫だろ。こっちにも召喚師ってのはいるみたいだし、事実、シスターズは俺の召喚獣なんだからな」
「……まぁそれもそうかの」
「んじゃ、こんどこそやるぞ。ララ、こっちにおいで」
「はーい!」
調合セットを使用して、リューが作り出した水にメディル草の葉とアルマチ草の根を投入しめララに加熱してもらう。
ちなみに、ララ達シスターズの種族はピクシー。所謂妖精である。
STR、VITはかなり低いがその代わりにINTとLUCがかなり高く設定されている。
ただ、攻撃用の魔法よりも補助や防御、回復などを得意としている。
ララは火、リリは雷、ルルは風の属性だ。
温度調整はララに任せて、ちょうどよい温度で止めてもらう。
あとは取り出したメディル草の葉とアルマチ草の根をケルフィア草の葉とともに擂り潰し、少量の水を加える。もたろん、これもリューが魔法で出したものだ。
あとは出来たものとこれまたリューが魔法で出した水とを1:2で薄めて完成だ。
できたのは三本分。この作業をあと二回繰り返せば終了だ。
「さ、もうちょっと手伝ってくれな」
「はーい!」
「これ! リリ、ルル! 髪を引っ張る出ない!」
あちらはあちらで楽しそうである
どうも、ニシュラ和尚です。
というわけで、漸く二日目に突入しましたね。
そしてまたもやポーション製作ぅwww
なんやかんや言ってたけど、まだ学園まではもう少しかかりそうだなこりゃ。
まぁ気長に待っていてくださいな。
そして、何気に気に入ってるんですよね、シスターズ。
あれ? 前も言ったっけ? ま、いっか。うん。可愛いは正義である!!
さて、今回のサブタイトル。
出ましたね、化け◯語の新刊。
作者もその友人から借りて読んだりしていたんですが、その友人の興奮ぶりがヤバイです。
あと、傷◯語も劇場版化するそうですね。おめでとうございます。
そして、友人の頭の中がおめでたいことになっております。
ま、あれだ。表紙の斧◯木ちゃん可愛いですはい。
友人の物語シリーズ好きには少々困ったものですが、ま、俺も違う作品で似たようなものだから仕方ないですね。許してあげましょう(上から目線)
それでは、また次回




