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まぁ、最初だしこれくらいで

最初は文字数少ないです


「ただいま」


コンビニで買ったビールとつまみが入ったレジ袋を片手に下げ、いつものように自宅の扉を開ける。

俺の気の入っていない声が玄関に響くが、その声に対しての返答はない。


そりゃそうだ。独り暮らしなんだし。


はぁ、と小さく息を吐き、靴を脱いで自宅に上がる。

現在、夜の十一時。こんな時間に帰ってきた理由は言うまでもない。バイトである。

大学に入ったのはいいものの、色々あって結局中退。以後、アルバイトで金を稼ぐ生活を送っている。


無職ではない。フリーターである。


親とは大学を中退したあたりから関係がうまくいかず、二年ほど顔を合わせていない。まあ、向こうからの連絡もないし、もうどうでもいい。弟には悪いが、もう実家に帰ることもないかもしれない。


「……疲れた」


バタリとソファーに倒れ込みたくなる衝動に駆られるが、何とか踏み留まって身を清めに風呂に入る。

いつもなら、風呂にも入らずにあのまま寝てしまうだろうが、今日は、今日だけはそうするわけにはいかないのだ。


「なんせ、今日で最後なんだもんな……」


ブクブクと湯船で気泡を吐き出し、風呂から上がる。

寝巻き用のジャージに着替えると、先程買ってきたビールとつまみを持ってきてパソコンの前に座り、それを起動させる。

画面には『ファンタジア・オンライン』の文字が浮かび上がった。


MMORPGであるこのゲームは十年くらい前からサービスが始まったファンタジー系のゲームで、多種多様な種族に職業、アイテムにスキルなどめ当時は圧倒的な人気を誇ったゲームだ。

職業はmainjob、secondjob、thirdjobの三つが選択でき、上から最大で100、80、50までレベルを上げることができるのもまた魅力で、戦闘も生産もやりたいというプレイヤーも大勢いた。

だが近年、新世代の新しいゲームとして、VRMMORPGなるものが登場。仮想現実なるものに惹かれたゲーマー達が一気にそちらに流れてしまったのだ。

もちろん、その影響は『ファンタジア・オンライン』も受けた。

プレイヤー人口が一気に減った影響により、本日午前零時をもってサービス終了となる。


「……お前らともお別れか……」


ボソリと呟いた俺が眺める画面のなかには、俺が使うキャラ、ウェルディの他にも五つの影。


「長い間、ご苦労さんだったな」


プレイヤーでないその存在は、みなウェルディの召喚獣。

俺のmainjobは召喚師。召喚獣と呼ばれる魔物と契約し、使役する職業だ。

五体なのはそれが召喚師が契約できる最大数だから。

ただ、契約するには相手を負かして運が高ければ契約できるという場合よっては地雷職。それ故にこの職業を選んでいたプレイヤーは非常に少ない。

ちなみに、何故そんな職業を選んだかと言えば……まぁ、十年も前のことだ。若気のいたりってやつ。

まぁでも、結果よければ全て良しと言うし、俺も召喚師としてはなかなか名が知られたプレイヤーだったため満足はしているが。召喚獣も愛着あるし。


画面の中のウェルディが動けば、それに合わせて後ろから付いてくる召喚獣達。

そのままゲームで造ったマイホームの中をぐるぐると回って楽しみ、ふと、時計を見ればもう終了まで五分を切っていた。

パソコンの隣に置いてあったビールを開けて、つまみを口に放り込む。

二十歳成り立ての頃は、苦い顔して飲んだものだが、慣れればどうってことはない。炭酸も、今では好きになった。

さすがに、どっかの干物妹みたく、コーラの一気飲みはできそうにないが……


「……あ、やべ」


ここに来て、急に疲労が襲いかかってきた。


瞼が重くなり、次第に視界が狭くなっていく。


残ったビールを飲み干しても眠気は取れず、むしろ加速したような気さえしてくる。


……もう、いいか


顔を横に向け、パソコンの上に突っ伏した。

こいつらといられるのはもう今日までだ。ゲームが終了する以上、会うことはないだろう。

今までの数々の冒険を思い返しながら瞼を下ろす。

せめて、いい夢くらいは見たいものだ。


意識が遠くなり、やがて、俺の意識は夢へと飛んだ。

だが、このときは思いもしなかったのだ。まさか、パソコンの画面が真っ白になり、その光が俺を拐っていくとは……


今年の間は、大学受験があるので、更新は遅めです。もしかしたら、長いこと間空くかも。

なら書くなよ勉強しろなんですが……こう、指がね? 動いちゃうんですよね


まぁそんな色々あるニシュラ和尚です!

よろしくお願いします!

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